
初心者でも簡単!水草の上手な育て方、増やし方!
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水草とは植物体の一部、もしくは全てが水に浸かった状態での生活に適応した植物のことを指します。水槽のレイアウトにおいて最もよく使われるものの1つですが、色や形がバリエーションに富むために観賞魚の引き立て役だけでなく、水槽の主役も務められるほどの鑑賞性を持ちます。
また、飼育に関しても奥が深くて面白く、アクアリストの中には水草のみを飼育する愛好家もいるほどです。ここでは水草の飼育法や増殖法についてご紹介します。
目次
水草(水生植物)とは?
特徴
植物の場合も他の生物と同様に、水中で生活していたものが陸上での生活に適応することで進化していきました。水草と呼ばれる植物群は、一度陸上での生活に適応したのにもかかわらず、再び水中での生活に戻っていったグループのことを指します。
陸上生活の名残は水上に葉を出すことや、花を空気中で咲かせる品種が多いことなどから見て取れます。水草はその生態により5種類に分類されます。
生態による分類
沈水植物
根が水底の土壌中にあり、茎や葉など植物体全体が水中に没しているものを指します。ただし、花に関しては茎をのばすなどして、空気中で咲かせる品種が多いです。アクアリウム用に流通している品種としては、ナヤスやクリプトコリネ系などが挙げられます。
浮遊植物
根が水中にあり、葉などの植物体は水面に浮かぶものを指します。アクアリウムにおいては、植えたり活着させる手間がいらないことや、再配置が容易なことから管理しやすい水草です。主な品種としては、サンショウモやホテイアオイ(ホテイ草)などが挙げられます。
浮葉植物
根が水底の土壌中にあり、茎をのばして葉が水面に浮かぶ形態を持つ水草です。国内ではスイレンが代表的で、花も水面に浮かぶようにつける品種が多いです。アクアリウムではヒルムシロやアサザなどが良く使用されます。
抽水植物
根が水底にあり、茎や葉を伸ばして水上に出る形態を持つ水草を指します。国内で見られる品種としては、池などで水面から葉をのぞかせているハスなどが代表的です。アクアリウム用に流通している品種としてはオモダカやコウホネなどが知られています。
湿生植物
根が水中の土壌中にあり、水位が高い時以外は植物体のほとんどが空気中に出ている種類です。根を中心に呼吸組織が発達している品種もありますが、その他の点については陸上の植物とあまり変わりません。アクアリウムではホシクサやカキツバタなどが人気です。
種類についての補足
種類についてご紹介しましたが、これらの分類に当てはまらない品種も数多くあります。例えば、初心者向きとされているアヌビアスナナやアマゾンソード、ハイグロフィラなどは完全に水に沈んだ状態でも、根だけが水に浸かっている状態でも問題なく成長できるのです。
また、マツモは沈水性の浮遊植物と言える特徴を有しているので、これらの分類は生態を考えるための便宜的なものと捉えておいてください。
水草の飼育水について
熱帯魚と同様に、水草にとっても水質や水温は重要です。ここからは水草の育成に適した水について解説します。
水温
水草の飼育に適した水温は、種類によって微妙に異なりますが、大部分は20~28℃の範囲です。適した水温域から外れると枯れてしまう場合もあるので、特に夏と冬は温調機器を用いて水温を調節してください。
水質
水質はpH5~7の弱酸性から中性を保てば問題ありません。特に南米が原産の種類は弱酸性を好む傾向にあるので、お住まいの地域の水道水が弱アルカリ性だった場合は、底砂やpH調整剤を用いて調節すると良いでしょう。
また、水草は軟水を好み、適したGH(総硬度)は0~6°dH(ドイツ硬度)の範囲です。日本の水道水はほぼ軟水なので、あまり気にする必要はありませんがやはり地域差があり、水槽のレイアウトによってはGHが上昇することもあります。
GHとpHを一度に調べられる検査キットも市販されているので、定期的に調べることをおすすめします。
水草の飼育に必要な機器類について
水槽
水草は30cmクラスの水槽があれば飼育できますが、可能であれば60cm以上の水槽の使用をおすすめします。
なぜならば、30cm程度の水量では水温や水質が不安定になりやすく、小まめなメンテナンスが要求されるからです。60cm以上であれば、水量を確保できるので水温や水質が安定しやすく、管理が楽になります。
フィルター
水草の飼育に適したフィルターは外部フィルターです。なぜなら、水中のCO2が空気中に抜けてしまうことを防げるからです。
水草の育成にCO2は欠かせない存在ですが、上部式などのフィルターの場合は飼育水が空気と接触する機会が多いので、ろ過の過程でCO2が抜けてしまいます。一方で、外部式の場合はろ過槽が密閉されているので、CO2が抜けにくいのです。
底面フィルターや内部フィルターでもCO2は抜けにくいのですが、それらは水槽中に設置するので鑑賞性を損ねたり、ポンプの熱が飼育水に伝わり水温の上昇を招く場合もあります。
底床材
底床材はソイルを用いることをおすすめします。ソイルは土を小さな粒状に形成した底床材で、以下のような特徴を持ちます。
・水質を弱酸性に保つ
・高度を下げる
・必要な栄養分が含まれている
・多孔質で通水性があるのでバクテリアが定着しやすい
これらの水草の飼育に適した性質を持つので、ソイルを底床材に導入すれば管理がより楽になります。
照明
水草は光合成によって成長していくので、光を確保することは健全な育成に欠かせません。しかしながら、光源に太陽光を採用することは、一般的な水槽に入る水の量ではデメリットが大きいので避けてください。
光源にはLEDライトを用いると良いでしょう。近年では植物が光合成をするのに必要な波長帯の光を強化した、植物栽培用のLEDを用いた製品もあります。
CO2の添加について
水草を含む植物は光合成を行うことにより水とCO2から、自身の体を構成する炭水化物を合成して成長します。よって、CO2は健全な育成に欠かせない要素なのですが、水槽という狭い空間では不足しがちなので、外部から供給してあげる必要があります。
最近では、CO2を添加するための機器類が全てセットになった「CO2フルセット」が市販されているので、それを利用することが簡単です。添加量に関しては種類間の差異が大きいので一概には言えません。
初心者向きと言われているアヌビアスナナやマツモなどはあまり添加を必要としない一方で、グロッソスティグマなどは添加が必須です。ご自身が飼育したい水草について、ショップに問い合わせるなど良く調べてから添加してください。
肥料について
水草の育成に必要な栄養素は様々なものがありますが、中でも不足しやすいものはカリウムと鉄です。これらは水槽内で発生する機会がほとんどなく、不足すると色落ちするなどの症状が出るので、折を見て施肥により供給してあげる必要があります。
トリミングについて
水草のトリミングには以下の目的があります。
・レイアウトの維持
・飼育環境の維持
・枯れた部分の除去
・コケの除去
水草が成長して葉や茎が伸びるとレイアウトが崩れてくるので、伸びた部分をカットして鑑賞性を保つ必要があります。
また、葉や茎が伸びると飼育空間を圧迫し、底の方に光が当たらなくなり背の低い水草の成長が阻害されたり、止水域が生じて水質の悪化が早くなるなどの弊害が発生する場合があります。
さらに、枯れてしまった部分や除去しきれないコケが付いた部分を放置しておくことで、水質の悪化やコケの大量発生を招く可能性もあります。そのため、水草の健全な育成のためにトリミングは欠かせない作業の1つと言えるでしょう。
水草の増やし方
株分け
アヌビアスナナなど根茎を伸ばして成長していく品種は、株分けによって増殖させることが可能です。子株に葉と根がある程度の数付くようにしてカットすると、親株から切り離されても順調に成長します。
アマゾンソードなどは、「ランナー」と呼ばれるツル状の器官を伸ばして、その先に子株を形成します。子株の葉がしっかりとしてきたらランナーをカットしても成長するので、レイアウトに応じて植え替えると良いでしょう。
分裂
分裂はシダ類や浮遊植物に多いタイプの増殖法です。葉の裏に「胞子のう」と呼ばれる器官が付いており、そこから子株が出てきます。子株が出た葉は子株の方に養分を回すため、だんだんと枯れてしまいます。
子株が出た葉をカットして水に浮かべたり、流木などに巻き付ておけば子株が成長するので、ある程度大きくなったところで任意の場所に植えると良いでしょう。
枝分かれ・さし芽
マツモやミズハコベなどの、有茎水草と呼ばれる種類に多い増殖法です。マツモの場合は特に容易で、茎にある節を3~4節含むようにカットして、飼育水中に置いておくだけでカットした部分から新芽を出して成長していくため、簡単に増やすことが可能です。
また、ミズハコベなどは植物体の中央辺りにある節の下からカットして、上の部分を底砂に植えておくだけで新しく根を出して成長します。残った下部も切断部の脇から新芽が出てくるので、やはり容易に増殖させることが可能です。
まとめ・水草の飼育法と増殖法について
水草はたくさんの種類が存在しており、観賞魚水槽のレイアウトだけでなく、アクアリウムにおいて主役になり得るほどの見ごたえがある品種も多数あります。
いくつかの品種を組み合わせて、天然の湖沼や河川さながらの光景を生み出すことも、アクアリウムにおける醍醐味です。初心者でも容易に飼育できる品種から、かなりデリケートなものもあるので飼育で得られる喜びや達成感は観賞魚と変わりません。
まだ水草を飼育したことの無い方や、何か水棲生物を飼育したいとお考えの方は水草の飼育に挑戦してはいかがでしょうか。
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