サメを自宅で飼育するには!飼育可能なサメの種類と飼い方のポイントを紹介
水族館のパノラマ水槽などで見ることができる大きなサメ。
パニック映画題材になったり人を襲ったというニュースを聞いたりと獰猛なイメージが強く、とても飼育ができるようには思えないかもしれません。
しかし、サメは非常に種類が豊富で、中には小さく大人しい種類も存在します。
水族館のタッチプールでお馴染みのネコザメなどはその代表的な種類で、このようなタイプならば飼育環境を整えれば自宅でも飼育が可能です。
今回のコラムでは、家庭でも飼育できるサメの種類と飼育方法をご紹介します。
サメは意外にも顔が可愛らしく愛嬌たっぷりです。自宅で変わった海水魚を飼育してみたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
プロアクアリストたちの意見をもとに自宅でサメを飼育する方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
恐ろしいイメージのあるサメですが、意外にも小型種は大人しく大型水槽を準備できれば自宅でも飼育が可能です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、自宅でサメを飼育する方法を解説します。
サメは自宅で飼育できる!

結論から言うと、種類を選べば個人でもサメを飼育することができます。
とはいえ、一般的にサメは非常に大型で遊泳性が強い生き物。有名な人食いザメの異名を持つホオジロザメや美ら海水族館の人気者ジンベエザメなどはいずれも体長5mを超えるため、自宅で飼育するのは現実的ではありません。
自宅で飼育するには、小型で大人しい品種に限定し、飼育条件を満たせる水槽を準備する必要があります。
飼育できるのは1m以下の小型種

自宅に設置できる水槽サイズで飼育ができるのは、体長1m以下の小型種です。
さらにその中でも、遊泳性が低く底でじっとしているような、大人しい品種が個人でも管理しやすいでしょう。
意外にもサメは人懐っこく、餌やりなどを通じて飼い主とコミュニケーションを取れるようになります。
慣れてくると軽く背中をなでたり、愛嬌のある表情を見せてくれたりとペットのような感覚で付き合える生き物です。
最低でも120cm以上の大型水槽が必須
サメを飼育するには、最低でも横幅120cm以上の水槽を設置しましょう。
また、奥行きも重要で、サメが水槽の端でスムーズにターンできる程度の広さが無いと、ストレスから体調を崩してしまいます。
最低でも60cm以上、可能ならば体調の1.5倍程度の奥行きがあると安心です。
床の耐荷重に注意
サメが飼育できるほどの大きな水槽を設置する場合は、床の耐荷重をよく確認することが重要です。
以下にご家庭に設置できる大型水槽の重量をまとめます。
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サイズ |
水量 |
重量 |
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|---|---|---|---|
|
120cmワイド水槽 |
W1200×D600×H600mm(板厚10mm) |
約404L |
本体:30kg、水入り:434kg |
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150cm水槽 |
W1500×D600×H600mm(板厚10mm) |
約506L |
本体:31kg、水入り:305kg |
180cm水槽 |
W1800×D600×H600mm(板厚10mm) |
約609L |
本体:37kg、水入り:366kg |
一般的な住宅の床の耐荷重は180kg程度のため、そのまま水槽を設置してしまうと床が歪むなどのトラブルに繋がります。
これから家を建てるのならば水槽を置く前提で設計してもらうか、床の中でも比較的丈夫な梁の上を選んで設置する、鉄板で床を補強するなどの対策を施しましょう。
家庭で飼育できる主な種類

ここからは、自宅で飼育するのにおすすめのサメを4種類ご紹介します。
どの品種も、水槽のタッチプールなどにも採用される人懐っこい種類です。
模様や少しとぼけた表情に、大きさなどに違いがあるためご自分の環境に合わせて選びましょう。
トラザメ

メジロザメ目トラザメ科に属するサメの1種です。
成魚の体長は50cm程度の小型種で、魚体は細長く口先は丸みを帯びています。体色は褐色を基調とし、暗色や淡褐色のまだら模様が全身に入る見ごたえのある種類です。
国内では北海道以南の太平洋側と石川県以南の日本海側に、国外では朝鮮半島から台湾にかけて分布しており、水深約320mまでの深海に生息していることがほとんど。
尾ビレが小さいこともあり遊泳性は低く、普段は海底の岩陰などでじっとしています。食性は甲殻類や小魚などを捕食する肉食性で、寿命は15年前後です。
イヌザメ

テンジクザメ目テンジクザメ科に属するイヌザメは、成魚の体長が1mほどとサメとしては小型の種類です。
幼魚の頃は白色と黒色の縞模様をしていますが、成長するにしたがって全体が褐色に変化します。
西太平洋からインド洋にかけての浅いサンゴ礁帯に生息しており、昼間は岩陰などに身を隠し、夜になると餌を求めて活動する夜行性です。
食性は肉食性で甲殻類や魚類などを捕食しています。
遊泳性が低いので水槽での飼育に適しており、寿命は5年以上。野生では14年、水族館では最大25年生きるというデータもありますので、育て方次第で長く飼育を楽しめます。
シマザメ
シマザメもテンジクザメ目テンジクザメ科に属する種類で、体長は最大でも75cmほど。
細長い魚体は褐色から灰色で、若魚の頃は不規則な縞模様が入る個体が多いですが、成長とともに目立たなくなる傾向があります。
西太平洋からインド洋にかけて分布しており、水深5~100m程度までのサンゴ礁帯が住処です。食性は動物質を好む肉食性で、遊泳性が低いので水槽での飼育にも適しています。
ネコザメ

ネコザメ目ネコザメ科に属する、体長約80~90cmほどの小型種です。
穏かな性質で餌食いも良いため、初心者の方でも飼育がしやすいでしょう。
ネコザメという名前は、頭にある突起の形状が猫の耳に似ていることに由来しており、全体的に丸みを帯びたフォルムがとても可愛らしいです。
東京アクアガーデンで手掛けたレンタル水槽でも、ネコザメを飼育した事例があります。
サメの飼育方法

ご紹介した通りサメの飼育ではご家庭に設置できる最大クラスの大型水槽が必要ですが、基本的な飼育方法や設備は一般的な海水魚とあまり変わりありません。
飼育設備さえ設置ができれば、意外と手間なく飼育ができる生き物と言えるでしょう。
ここでは、サメ飼育に必要な設備や基本的な飼育環境から、給餌や水槽のメンテナンスまでご紹介します。
オーバーフロー水槽を用意しよう
サメを終生飼育するために必要な水槽サイズの目安は、トラザメやネコザメで120cm、イヌザメとシマザメは180~200cmです。
肉食性の生餌を好むことからサメ水槽はとにかく水が汚れやすいので、ろ過能力の高いオーバーフロー水槽を用意すると、水質の管理がしやすくなるでしょう。
余裕があればプロテインスキマーを設置するのもおすすめです。
また、ここまでの設備を備えた大型水槽となると市販はされておらず、オーダーメイドで水槽を作製することになります。普通に水槽を購入するよりも予算がかかる可能性があることを念頭に、準備を進めましょう。
適切な水温と水質について
サメが好む適切な水温は以下の通り。
- イヌザメ・シマザメ:24~27度
- トラザメ・ネコザメ:15~27度
種類によって差はありますが、概ね24℃前後が目安です。
年間を通して適切な水温を保てるよう、水槽用ヒーターやクーラーを使って水温を管理してください。
特に高水温が苦手なので、夏場は水槽用クーラーを必ず設置しましょう。
また、飼育水は人工海水を使って海水環境を再現します。
海が近い方は天然の海水を汲んできても良いですが、この場合は病原体を持ち込まないよう、殺菌灯を一定時間照射してから使用すると安全です。
レイアウトはシンプルに
餌の食べ残しやフンが多いサメ水槽は、底砂を敷かずベアタンクで管理すると、掃除やメンテナンスがしやすくなります。もし、鑑賞面から底床材を入れたいのであれば、pHを上昇させる効果が期待できるサンゴ砂がおすすめです。
また、先ほどご紹介した飼育がしやすい小型のサメは多くが夜行性で、日中は物陰に身を隠して過ごす習性がありますので、昼間は照明を消して管理すると落ち着きやすいでしょう。スペースに余裕があれば、ライブロック少し置いて体を隠せるシェルターを作ってあげるのも良い方法です。
ただし、サメは物音などに驚くと暴れるように泳ぐことがあります。レイアウトがあるとぶつかって怪我をしてしまう危険があるため、配置や素材には十分注意してください。
飛び出し事故を防ぐために、ボルト止め加工を施した蓋をすることも重要です。
餌は活餌が中心
肉食性のサメの餌は活餌が中心です。具体的にはイカや魚の切り身、エビなどですが、環境に慣れて餌付けができれば、管理がしやすい乾燥エビや肉食魚用の人工餌も与えることができます。
給餌の頻度は成長段階によって変わり、幼魚の間は1日2~3回、2~3分で食べきれるだけの量が目安です。体が大きくなってきたら少しずつ頻度を減らしていき 、成魚では2~3日に1回程度で問題ありません。
底の方でじっとしている種類なので、餌をトングなどで掴んで口先に持っていくとしっかり食いついてくれるでしょう。
食べ残した餌は水質を急速に悪化させるので、その都度取り除いてください。
単独飼育が基本

サメは肉食性が強く小型種でも1m近くまで成長することから、単独での飼育が基本です。
体が小さい幼魚の頃ならば、同種同士を同じ水槽に入れておくこともできますが、成長とともに手狭になっていくので、そのまま終生飼育をするのは難しいでしょう。
また、その食性から同種以外の魚や生き物は補食の対象になってしまいますし、水を汚しやすいことを考えるとサンゴとの混泳も現実的ではありません。
混泳水槽を作ることはできませんが、サメは単独でも十分見応えがある迫力のある品種です。
ぜひ、一匹に愛情を注いで飼いこむ楽しさを味わってみてください。
水換えの頻度と比重について
飼育を開始したら、週に一度、全体の1/3程度の量の水換えをします。
一般的な海水水槽よりも頻度は多めですが、大型の肉食魚はフンや餌で水が汚れやすいため、こまめに水換えをして水質を持つのがポイントです。
また、水換えの前には水質検査薬を使って水質や水槽内の状態を確認し、必要に応じてろ過槽やろ材、ウールマットなどのろ過システム周りのメンテナンスも行ってください。
換水後は、比重計を使って人工海水の比重を確認します。製品にもよりますが、大体1.023~1.025辺りに合わせて濃度を調整します。
ちなみに人工海水は、自然に水が蒸発して水量が減ると比重が上がってしまいます。
水位が下がってきたと感じたら比重計で比重を確認し、カルキを抜いた水を足して濃度を調整するのがおすすめです。
まとめ:サメを自宅で飼育するには!飼育可能なサメの種類と飼い方のポイントを紹介

自宅で飼育するのにおすすめのサメを4種類と、飼育方法を解説しました。
大きくて獰猛なイメージがあるサメですが、小型種は意外と大人しく、設備が用意できれば自宅で飼育することが可能です。
自宅での飼育に向いているのは体長1m以下の小型で遊泳性の低い品種です。
飼育には最低でも120cm以上、品種によっては150~180cmクラスの大型水槽を用意します。イカやエビなどの肉食性の餌が中心なので、ろ過設備はスペックの高いオーバーフローが使いやすいでしょう。
体長や食性の観点から単独飼育が基本ですが、サメ特有のフォルムやダイナミックな泳ぎ、少しとぼけたような顔立ちなど、存在感は抜群です。
現状の海水水槽に物足りなさを感じている方は、サメの飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
初心者からの!水槽の引越し5ステップ!引越し直後の水槽管理方法も紹介
運用中の水槽の引っ越しは、ただ運べば良いというものではありません。
小さな魚たちにとって引越し先までの移動や、新しい環境での再スタートは大きなストレス。引っ越し当日までしっかり体調を整えて、丁寧にパッキングをした上で安全に配慮して運んであげる必要があります。
荷造りや家具の移動、業者の手配などただでさえやることの多い引越し作業の中で、水槽の移動をするには、段取り良く事前準備を進めて当日を迎えることが重要です。
今回のコラムでは、水槽の引越し5ステップと題して、水槽を安全に引っ越すための作業を初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
初めて水槽の引っ越しをするとき、一体何から手を付けたらよいのかわからなくなってしまうことも多いです。このコラムを参考に、引越しを成功させましょう。
プロアクアリストたちの意見をもとに水槽の引越し5ステップを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽の引っ越しは、魚や水槽、機材を傷つけないようにパッキングしたり、新たに水槽を立ち上げたりとやることが多く、初めてだと戸惑ってしまいがちです。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水槽の引越し5ステップを解説します。
アクアリウム初心者からの!水槽の引越し5ステップ

水槽の引っ越しは、重たく壊れやすい水槽や機材を運んだり、飼育している生体を安全に移動させたりと、神経をすり減らすような慎重な作業が求められます。引っ越しが終わったら、今度は水槽の立ち上げ作業などがあり、初めてだとなかなか段取り良く進められないことも。
そこで、ここでは、大変な水槽の引っ越し作業を以下の5つのステップに分けて、
- 引越しに向けて水換え回数を増やす
- 資材を用意する
- 生き物をパッキングする
- 水槽本体や機材、アイテムを梱包する
- 運んで再設置する
それぞれの作業内容やコツを具体的に解説します。
ステップ1:引越しに向けて水換え回数を増やす
引越しのスケジュールが確定したら、引越し当日の2週間前、遅くとも1週間前から水換えの頻度を増やしていきましょう。
前もってこまめな水換えをし水質の変化に慣らしておくことで、生体が引越し先の新たな環境に順応しやすくなります。
また、できるだけきれいな状態の飼育水で引越しすることで、運搬中のストレスや水質急変の抑制にも効果的です。
引っ越し前の水換えは、一回の換水量を増やすのではなく、回数を増やして対応します。
例えば週1回水換えを行っていたなら、同量を3〜5日に1回交換するという具合に頻度に上げるのがベストです。 一度に交換する水の量を増やすと引っ越し前にバクテリアが流れ出て、生体がコンディションを落としてしまう可能性があるため、注意してください。
また、可能であれば引越しの2~3日前から餌の量を減らすか餌切りをしておくと、移動中の容器の中でフンをすることが無くなり、水質悪化を最低限に抑えられるます。
ステップ2:資材を用意する
水槽の引っ越しに使う梱包資材を用意しておくことも大切です。
水槽のパッキングでは、生体、飼育水、機材や水槽を運搬するための資材をそれぞれ用意します。以下に主な梱包資材をまとめました。
アイテムによっては取り寄せに時間がかかる事があるため、1~2週間前までを目安に準備しましょう。
■生体用の資材
- 生体を入れるパッキング袋やフタ付きバケツ
- 保温ができる発泡スチロール容器、保冷バッグなど
- 電池式エアーポンプ、チューブ、ストーン
- 使い捨てカイロや新聞紙 など
■飼育水用の資材
- 飼育水を入れるパッキング袋やポリタンク
■機材用の資材
- 購入時の水槽梱包材が保管してあれば準備する
- フィルターなどを入れる大型ポリ袋
- プチプチなどの緩衝材
現在使用している飼育水を運ぶのも重要なポイント。飼育水には水をきれいにするバクテリアが含まれており、引っ越し先で水槽を立ち上げ直したときに水質の安定が早まります。
全体の1割程度で良いので、飼育水も必ず持ち出しましょう。
ステップ3:生き物をパッキングする

生体や機材のパッキングは、引っ越しの当日、できるだけギリギリの時間に行うことで、生体へのダメージを最低限に抑えられます。
安全に輸送するために、酸素・温度・揺れの3つのポイントを意識して梱包していきましょう。
引っ越し先が近距離の場合は、フタ付きバケツやクーラーボックスとエアーポンプの組み合わせで安全に運搬することができます。
一方長距離移動の時は、長時間の揺れに対応するため、アクアリウムショップなどで見かけるようなパッキング袋を使用した梱包がおすすめです。
こちらの製品は酸素を通す特殊な素材なので、酸素ボンベがなくてもパッキングできます。
パッキング袋は移動中の保温がしやすく、引越し先での水合わせや温度管理も行いやすいというメリットがあります。
生体をパッキングした袋は、光が当たらないように新聞紙で包んだり発泡スチロール箱に入れて運ぶと魚のストレスを軽減できておすすめです。
水草は湿らせたキッチンペーパーで包んでジップロックに入れておきます。
傷んでしまわないよう、水草と生き物は別の袋にパッキングするのがポイントです。
ステップ4:水槽本体や機材、アイテムを梱包する
水槽本体は購入した時の梱包材が保管してあればベストですが、手元に無い場合はプチプチを全体に巻き付け、角を段ボールなどで保護して厳重に梱包します。
水槽周辺の機材については、水気をよく拭き取り電源コードにラベルを付けておくと、引越し後の設置が効率良くに進むでしょう。
ろ材や底砂については、乾燥してしまうと付着しているバクテリアが死滅してしまうため、飼育水に浸したまま運搬します。1日程度であれば水流がなくてもバクテリアはそれほどダメージを受けませんので、落ち着いてパッキングしてください。
ステップ5:運んで再設置する

新居についたら、設置予定の場所が水平であることを確認した上で、速やかに水槽を立ち上げます。
水槽再設置の流れとしては、水槽設置→底砂→レイアウト→ろ過フィルターを設置→機材の起動の順番です。
機材の起動は、最初にろ過フィルター、次にエアーポンプなどの周辺機材、最後に水槽用ヒーターの順番で動作を確認しながら進めましょう。
また、どんなに急いでいるときでも、設置場所の水平が取れているかだけは必ず確認してください。
わずかな傾斜であっても長期間設置していると水槽にダメージが蓄積されて、ある日突然破損する危険があります。
引越し直後の水槽管理方法

引越し先に再設置した水槽は、すっかり環境が変わり立ち上げ直したのに近い状態です。
水質や生き物が安定するまで、普段よりも注意深く管理する必要があるでしょう。
ここでは、引越し後に水槽が安定するまで意識すべき大切なポイントをご紹介します。
水温・水質をモニタリングして水換えしよう
引越し後の水槽は、以前の環境から飼育水やろ材、底砂などを持ち込んでいたとしても、少なからずバクテリアが減少し、活性が落ちてしまいます。
また、水槽の再設置に伴い、底砂やレイアウトに蓄積していた汚れが水中に舞い上がって、病気や水質の悪化を引き起こすことも。
ぱっと見は透明できれいに見える水でも、実は水質が不安定だったということも少なくないため、引越しから2、3日の間は毎日水質検査薬で水の状態を確認し、全体の1/5程度の少量の水換えをしましょう。
水質が安定してきたら、元の水換え頻度に戻していきます。
生体の餌食い・様子をチェック
引越しを経験した生体は、輸送のストレスから調子を崩してしまいやすい状態です。このようなときに無理に餌を食べさせると、消化不良などを起こしてしまいますので、立ち上げから2、3日は餌を控えて様子を見ましょう。
魚の泳ぎ方や体表の様子をよく観察し、問題が無いことが確認出来たら、少量から餌やりを再開します。餌への食いつきや調子を確認しながら給餌量を調整していくと良いです。
また、魚やエビだけでなく水草も引越しによるストレスを感じていますので、引越し後数日は照明を控えめにして新しい環境に馴染ませてあげてください。
機材の稼働音などを確認
水槽の再設置後は、機材の取り付け位置が変わることで振動音や稼働音が発生しやすくなります。
もし異音が続く場合は、ろ過フィルターの吸水口が詰まっていないか、エア噛みが起きていないかなどを確認し、原因を見極めることが大切です。
また、水槽用ヒーターが安全な水位で設置されているか、外部フィルターの周辺からの水漏れがないかなどもしっかり確認しましょう。
引越し作業をアクアリウム業者に依頼するのが良い場合とは

ご紹介してきた通り、水槽の引っ越しはただ水槽を運搬すれば良いというものではありません。
水槽や機材を傷つけないのはもちろんのこと、生体や水草にかかるストレスを最小限に抑える梱包や運搬が必須です。
また、再設置後の立ち上げを考えると、飼育水やろ材、底砂に定着しているバクテリアをできるだけ良い状態で引越し先に持ち込むことも大切。
このような様々な配慮が必要な水槽の引っ越しには、段階的な準備と専門的な知識が欠かせません。安全に引越しを終えるためにも、状況によってはプロの手を借りることも必要です。
以下に、アクアリウム業者に引越し作業を依頼した方が良いケースをまとめました。
- サンゴ等の環境変化にシビアな生体を飼育している
- 水槽を移動する人手や移動手段が確保できない
- 生体数が多くパッキングの手間が大きい
- 90cm以上の重量がある大型水槽の移動
- 水槽台や床の水平調整が難しい
- 長距離の引っ越しをする
東京アクアガーデンでも水槽引越しサービスを行っており、大型水槽や海水魚水槽などこれまで多くの引越し実績があります。
水槽の移動にお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:初心者からの!水槽の引越し5ステップ!引越し直後の水槽管理方法も紹介

安全に水槽を引っ越すには入念な計画と準備が欠かせず、初めてだと何から手を付けたら良いのかわからなくなってしまうこともあるはずです。
まずは、今回ご紹介した引越しのための5つのステップを参考に準備を進めてみてください。
小型〜60cm水槽程度の一般的なサイズであれば、引っ越しに慣れていない方でも比較的スムーズに、自力で再立ち上げまで行うことができるでしょう。
一方、90cm以上の水槽の場合は、水槽本体や生体、周辺機材の移動だけでなく、レイアウト素材のサイズや底砂の重量もかなり大きくなります。
大型水槽やデリケートな生体の引越しなら、水槽のプロに作業をお願いするのも方法です。
東京アクアガーデンの引越しサービスでは、引越しに伴って水槽のサイズアップや機材・レイアウトのリニューアルについてもご相談いただけますので、ぜひお問い合わせください。
カニを飼育してみよう! 自宅で飼えるカニの種類から飼育方法まで解説します
川遊びや磯遊びで捕まえて遊んだり、高級食材として食卓に上ったりと様々な場面で目にすることが多いカニの仲間たち。
アクアリウムでは鑑賞用として流通する、青や黒、赤などのカラフルな体色を持つきれいで小型の品種が、淡水・海水それぞれの水槽に取り入れられています。
基本的に丈夫で簡易的な機材やプラスチックの飼育容器でも飼うことができるため、小さなお子様から飼育に挑戦することが可能。混泳水槽では低層を賑やかにしてくれる存在として重宝すること間違いなしです。
今回のコラムでは、カニを自宅で飼育する方法とおすすめの品種などについてご紹介します。
淡水・海水それぞれのケースについて触れていきますので、ぜひご覧ください。
プロアクアリストたちの意見をもとにカニの飼育方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
昔話でもお馴染みのカニは、日本では古くから身近な生き物として愛され続けてきました。
最近は鑑賞性の高いカラフルな品種が海外から流通するようになり、アクアリウムでも人気を集めています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、カニの飼育方法を解説します。
飼育できるカニの種類と育て方を動画で解説
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
おすすめのカニの種類やカニの飼育方法を音声付きで解説しています。
東京アクアガーデンではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
水辺の生き物の飼育方法から、水槽レイアウトまで、アクアリウム情報を動画でわかりやすく解説しています。
チャンネル登録をぜひお願いします!
自宅で飼育ができるカニの種類

カニは全世界で約7,000種類もの品種が確認されている、非常にバリエーションが豊かな生き物です。
大きさや生態、好む水域や水質、水温なども種類によって様々なため、タカアシガニのような非常に大型のカニや深海に生息する種類など、一般的な飼育水槽では管理が難しい品種がいるもの事実。
個人で飼育ができるのは、基本的に水温や水質の変化に強い、陸生・半陸生か、比較的浅瀬の海や川に暮らす小型のカニに限定されます。
さらに、飼育鑑賞用に流通していることや、餌を選り好みせずに食べてくれるなどの条件を満たしている個体ならば、初心者の方でも飼育に挑戦しやすいでしょう。
ここでは、自宅の水槽で飼育ができるカニを、淡水、海水に分けてご紹介します。
淡水カニ

淡水カニは渓流や河川、河口付近などの淡水域に生息しています。
日本では身近な河川でも見かけることがあり、採取した個体を自宅に持ち帰ることも可能。素朴な見た目ながら、カルキを抜いた水道水で飼育ができる小型の品種が多いので、初めてカニを飼育する方にもおすすめです。
ただ、適応できる水温幅が品種によって大きく異なることがあり、特に外国産のカニは、熱帯魚を飼育するような保温設備が必要になる点は留意しておきましょう。
サワガニ
全国の広い地域に生息する、全長5~7cm程度の日本固有の淡水カニです。
半陸生で湿気の多い陸地と水中を行き来する性質があり、野性では水質の良い小川や渓流などで多く見られます。飼育の際は必ずろ過フィルターを設置して水質を維持しましょう。
適水温は15~20℃前後で低めの水温を好みます。25℃を超えると体調に影響が出るため、水槽用クーラーやエアコン、冷却ファンなどを活用して水温を低めに調整してください。
一方、水温が10℃を下回ると冬眠しますが、水槽での冬眠はリスクが高いため、冬場水温の低下が著しいときは水槽用ヒーターで保温をすることをおすすめします。
ドワーフクラブ
インドネシアなど東南アジアの熱帯地域に生息している小型淡水カニの総称です。
カラフルな種類が非常に多く、甲羅とハサミが紫色に染まるヴァンパイアクラブや、赤色になるレッドデビルクラブなどが特に人気があります。
陸生傾向が強い半陸生でなので、水槽にもしっかり陸地を作ってあげましょう。体が浸かる程度の水入れがあれば問題ないので、観葉植物やコケを敷いたパルダリウム水槽にも向いています。
水温は22~28℃程度までなので、冬場はパネルヒーターを使用するか、一日を通して温かい室内で管理するのがおすすめです。
ハマベンケイガニ(レッドアップル・クラブ)
別名レッドアップルクラブとも呼ばれる、甲幅3cm前後の小型淡水カニです。
体色は黒色を基調にハサミが赤色になる個体が多く、見ごたえがあります。
沖縄県から台湾、インドネシアなどの淡水と汽水域を行き来する半陸生で、マングローブ林や海岸林などの植物が豊富な場所を住処とすることから、アクアテラリウム水槽とマッチしやすいです。
適水温は20~27℃程度なので、水を張った部分は水槽用ヒーターで加温すると、一年を通して管理がしやすいでしょう。
アカテガニ

国内では青森県から九州にかけての広い地域に分布しているカニです。
海岸や河口から1Kmくらいの上流までの陸地に巣穴を掘って生活する半陸生ですが、体が浸かる程度の水場があれば十分なので、パルダリウム水槽でも飼育ができます。
適水温は24℃前後なので、必要に応じてパネルヒーターなどでの保温が必要です。
モクズガニ

日本全国に生息する毛の生えた大きなハサミが特徴的な品種です。
甲幅は最大で7~8cm程度、基本は淡水性ですが汽水や海水を行き来する、幅広い塩分濃度に適応できる器用さを備えています。
陸地に上がることもある半陸生ですが、陸地が無くても飼育可能です。
適水温は15~25℃、比較的高水温に強く30℃前後まで耐えられると言われいますが、健康的に飼育を続けるならば、水温の上がりすぎには注意しましょう。
一方、10℃を下回ると冬眠してしまうため、冬は水槽用ヒーターで保温をして活性を維持します。
海水カニ

海中や砂浜など海の周辺を主な活動域としているカニです。
人工海水を使って海水環境を再現する必要があるため、淡水カニに比べると飼育難易度は高めとされますが、比重や環境自体は一般的な海水水槽と同じなので、機材等を準備できれば初心者の方でも飼育を楽しめます。
適水温は基本的に27℃までで、高水温は苦手なので水槽用クーラーなどを使って水温を低めに維持しましょう。
スナガニ

神奈川県以南の太平洋側から台湾、東南アジアまでの広い地域の砂浜に生息しています。潮干狩りなどの機会に砂浜で見かけることが多い、成体でも甲幅2~3cmほどの小型の種類です。
砂と似た色(保護色)をしていることから、ゴーストクラブという呼び名もあります。
砂浜と水中を行き来する半陸生ですが、飼育環境下では陸地を作らずに全身が浸かる程度の水位に抑えて飼育すると管理がしやすいです。
イソクズガニ

千葉県から沖縄県、台湾から東南アジアにかけての、沿岸部にある岩礁帯の潮間帯に生息しています。甲幅3~4cm程度で甲羅は洋梨型をしており、体色は全身が褐色です。
体に海藻の切れ端などのゴミをたくさん付着させて、カモフラージュするユニークな性質を持ちます。
海生で基本的に水から上がることが無いため、一般的な海水魚水槽と同じ環境、水位で飼育可能です。
カラッパ
カラッパ科に属するカニの総称で、ソデカラッパやトラフカラッパ、メガネカラッパなどの品種がいます。大きさは品種によって違いがありますが、大体甲幅5~15cmほど。
甲羅の形が縁が張り出したようなドーム型で、歩脚を折りたたんでうずくまることができます。
こちらも海生なので水を張った一般的な海水設備で飼育可能です。夜行性で砂を掘り返す習性があるため、柔らかいサンゴ砂を厚めに敷いてあげると安定しやすいでしょう。
サンゴは傷つけてしまう恐れがあるため、混泳は避けたほうが無難です。
エメラルドグリーンクラブ
主に大西洋西部のカリブ海に生息している、甲幅3cm程度の小型のカニです。名前の通り美しい緑色の体色をしています。
海生で植物食性が強く、餌となるコケや藻が十分なら他の生体に危害を加えることが少ないため、海水水槽のクリーナー生体として人気です。
サンゴ水槽にも導入できますが、餌が不足するとサンゴを害する可能性があるので、混泳させる場合は十分ご注意ください。
キンチャクガニ

西太平洋からインド洋などに広く分布する、甲幅1~1.5cmほどのとても小さな海水カニです。
海生で、潮間帯から水深10m程度までのサンゴ礁に生息しており、両ハサミにカサネイソギンチャクを携行する独特の生態を持っています。
体に入る美しい幾何学的な模様が鑑賞性抜群です。
大きすぎる水槽やレイアウトが入り組んだ水槽では姿を見失いやすいため、45cm程度の小型水槽への導入が向いています。
カニの入手方法

鑑賞用のカニは、アクアリウムショップやインターネット通販で販売されている個体を購入するほか、日本に生息しているカニならば、自分で採取してきた個体を飼育することも可能です。
ここでは、カニの主な入手方法をご紹介します。
アクアリウムショップで購入する
アクアリウム専門店やホームセンターのペットコーナーでは、鑑賞用のカニが販売されています。
これらのショップに直接足を運んで購入するメリットは、何と言っても実際の個体を自分で見て吟味できるところです。
また、飼育用品を一緒に購入することができるので、初めてカニ飼育に挑戦する場合にはとても重宝します。
インターネット通販で手に入れる
外国産の珍しいカニをお探しの時や、カニを販売している店舗が近くにないときはインターネット通販が便利です。
ただ、こちらは購入前に直接個体を確認することができないため、状態が不安なときは、死着補償などの対象になっているかも確認してから購入すると安心でしょう。
自分で採取する
日本国内には様々な淡水カニ・海水カニが生息しており、採取したカニを自宅で飼育することができます。
川遊びや磯遊びのついでに採取ができるので、お子さまが捕まえたカニを連れ帰れば命の大切さを学べる機会になること間違いなしです。
採取する場合は必ずルールを守ろう!
カニを採取するときは、その地域で決められている条例やルールを必ず確認してから連れ帰るようにしてください。
例えば、ある地域では自由に採取できるカニでも、別の地域では絶滅危惧種に指定されていて捕獲自体が禁止というケースがあります。
漁業権が設定されているとよりルールが複雑になるため、カニを採取する際には事前の十分な調査・確認が必要ということを覚えておきましょう。
さらに、採取したカニを別の場所に放流したり、自宅で飼育していたカニを川や海に放すことも避けるべきです。
むやみな生体の放流は、生態系のバランスを崩したり、病気を拡散させてしまったりなどの予期せぬ事態を招くことがあります。
カニに限らず、生体を採取・飼育する際には長期的な視点で責任を持って管理することが大切です。
カニの飼育に必要な道具

品種の特徴や生態によって様々な違いがあるカニですが、共通して飼育に必要なアイテムは以下の通りです。
- 水槽・フタ
- 底砂
- ろ過フィルター
ここでは、カニ飼育に必須の基本的なアイテムについて解説します。
水槽・フタ
カニ飼育には一般的なガラス水槽以外にも、昆虫飼育などでお馴染みのプラケースや透明なコンテナなどが使用できます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、飼育するカニの特性や飼育スタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
飼育ケースごとの特徴は以下の通りです。
| ガラス水槽 | 水槽用ヒーターやクーラー、ろ過フィルターなどの飼育機材を制限なしに設置できる。水量を確保できるので水質を維持しやすいが、サイズによっては値段が高めで設置スペースを取る |
|---|---|
| プラケース | 非常に安価で軽量。100円ショップなどでも入手ができ、蓋がセットになっていて便利。川遊びなどで連れ帰った個体をそのまま飼育することもできるが、ろ過フィルターなどが設置しづらいことも。傷が付きやすく壊れやすい点にも注意が必要 |
| コンテナ | 安価でサイズが豊富、蓋もしっかり閉められるので、気軽にカニ飼育を楽しみたいときに便利。ただし、蓋を開けて真上から覗き込まないとカニを鑑賞できない点や、水槽用ヒーターなどが設置できないところから、飼育できるカニが限られる |
水深を確保する必要がある海生のカニや、アクアテラリウムのように陸地と水辺を分けてレイアウトしたいときはガラス水槽が使いやすいです。
プラケースは体が浸かる程度の水で飼育ができて、陸地をあまり必要としない種類のカニの管理に向いています。コンテナは、陸地と簡易的な水入れなどの設置が可能です。
また、カニはレイアウトやろ過フィルターを足掛かりに壁を登って脱走してしまうことがあります。
特に陸生や半陸生のカニは身軽なので、必ず水槽に蓋をした上で重りなどを乗せてしっかり固定しておくことが重要です。
底砂
カニ飼育では、基本的に底砂を敷いて飼育するのがおすすめ。見映えが良くなるのはもちろんのこと、特に砂地や浅瀬に生息するカニは、底砂を敷いてあげるとストレスを軽減できます。
陸地を作る際は、底砂に傾斜をつけカニが登りやすいよう工夫してあげると良いです。
底砂の材質は、淡水カニならば大磯砂、海水カニならばサンゴ砂が一般的ですが、底面式フィルターを使用している水槽では砂が細かすぎるとフィルターが目詰まりしてしまうため、フィルターに合わせた粒サイズを意識してください。
スナガニなど砂に潜る習性があるカニを飼育する場合は、潜りやすいように細かい砂を使用します。
ろ過フィルター
ろ過フィルターはカニの性質によって適切なタイプが異なります。
淡水カニにおすすめのろ過フィルター
淡水カニにおすすめなのが、
- 底面式フィルター
- 水中フィルター
- 投げ込み式フィルター
です。どれも設置が簡単、安価で購入できるので初めての方でも扱いやすいという特徴があります。
また、ガラス水槽以外の飼育容器でも設置できる可能性があるところもメリットです。
一方、これらのろ過フィルターでは水槽用クーラーが使用できないため、水温を確実に維持したいときは、外部フィルターなどの他のろ過フィルターを検討する必要があります。
海水カニにおすすめのろ過フィルター
海水カニを飼育する水槽では、
- 外掛け式フィルター
- 底面式フィルター
- 上部式フィルター
- 外部式フィルター
- オーバーフロー式
など、ろ過能力が高めのタイプが良く使用されます。
先程ご紹介した投げ込み式などと比べると少し高価で複雑なフィルターも多いですが、しっかり水を張った海水環境でも水質を維持しやすくなるのがメリットです。
ただし、大きく成長する力の強いカ二は、フィルターのパイプやチューブを傷つけたり接続部を外してしまう可能性があります。心配なときは、パイプ類を石などで固定するなどレイアウトを工夫してトラブルを予防しましょう。
カニ飼育は温度管理が大事!保温設備について
カニを健康に飼育する上で特に注意が必要なのが、水温の管理です。
カニは基本的に高水温に弱い生き物で、ほとんどの種類が27℃を超えるとストレスを感じてしまいます。
近年は、真夏になると室内水槽でも水温30℃を超すようなことが少なくないため、水槽用クーラーを使用したり、一日を通してエアコンで室温を管理したりして水温を低く保つ工夫が必須です。
特に海水性のカニは、外部フィルターやオーバーフロー水槽と共に水槽用クーラーを設置して水質と水温を管理することをおすすめします。
水量が少ないパルダリウムやアクアテラリウムの場合は、エアコンがコスパが良いです。
また、冬は水槽用ヒーター、パルダリウムならパネルヒーターやバスキングランプなどを使用した保温も必ず行いましょう。
カニの飼育方法

続いては、カニを健康的に飼育するための具体的な飼育方法についてです。
淡水カニと海水カニでは好む水質や環境が異なりますが、基本的な飼育方法に違いがあるわけではありません。
適度な餌やりと定期的な水換え、メンテナンスを行い、きれいな水槽を維持しましょう。
餌は適度な量をバランスよく与えよう
カニはなんでもよく食べる雑食性で、餌付けに困るということはあまりありません。
ただ同じものばかり与えていると、飽きて食べなくなってしまうことがあるため、複数種類の餌をローテーションして与えるのがおすすめです。
栄養価の高いザリガニやカニ用の人工餌をメインに、アカムシやイトミミズといった活餌、水草や海藻も良い餌になりますし、乾燥エビやシラス、葉物野菜なども与えることができます。
餌の頻度は種類にもよりますが、1~2日に1回程度が目安です。水中に餌を撒く場合は数分程度で食べきれる量、陸地に餌を設置する場合はエサ入れに入れて与えてください。
食べ残しがあったら、その都度取り除いて清潔な環境を維持します。
特性に合わせたレイアウト・環境を意識しよう
ご紹介してきた通り、カニは種類によって生息する環境が大きく異なります。
そのため、水槽内の環境は品種の特徴に合わせて、できるだけ自然に近い状態を構築してあげることを意識してレイアウトをしましょう。
また、カニは薬剤を使いにくい生体のため、病気やケガのリスクにも気を配るとより確実です。
ここでは、淡水(陸生・半陸生)カニと、海水カニそれぞれの飼育環境の作り方をご紹介します。
淡水(陸生・半陸生)カニの場合

陸生・半陸生のカニを飼育する水槽では、底砂を盛り上げて陸地と水場を作ります。
砂に潜るスナガニなどの場合は、陸地部分の厚さを少なくとも20cm程度持たせると良いでしょう。
次に、流木やシェルターなどを設置して隠れ家を作ります。カニは単独飼育が基本ですが、広めの水槽に隠れ家多く設置すれば、複数匹一緒に同居させることも可能です。
水場の水深は品種の好みに合わせるのが基本。多くの場合は、カニの全身が浸かる程度で十分ですが、水量が少ないと水質の悪化が早く頻繁な水換えが必要となります。
メンテナンスのしやすさを考えると、もう少し水深を深くするのも方法です。カニが陸地に上がれさえすれば、水深が深い分には問題ありません。
これらの点を踏まえて、陸生・半陸生カニの飼育におすすめなのが、アクアテラリウムです。
アクアテラリウムは陸地と水辺の両方を備えたレイアウト水槽で、自然に近い状態でカニの様子を観察することができます。
陸地にコケや観葉植物を植えこめば、より見応えのあるインテリアに仕上がるでしょう。
海水カニの場合

海中に住む海水カニは、一般的な海水魚を飼育するのと同様の環境で飼育が可能です。
底にサンゴ砂を敷き、ライブロックやシェルターで隠れ家を作ります。
また、海生カニの場合は、水位の変化に気を配ることも大切です。
水が蒸発すると塩分濃度が高くなってカニに悪影響を与えてしまいます。水位が低くなってきたら、カルキ抜きをした水道水を追加する足し水を行ってください。
メンテナンスについて
水槽で生き物を飼育していると、ろ過フィルターを使用していても少しずつ水が汚れていくため、定期的な水換えや掃除が必須です。
全体に水を張っている環境では、1~2週間に一度、全体の1/3程度の量を換水します。
水量の少ない水槽や生体数が多い、活餌を頻繁にあげているといった環境では水が悪くなりやすいため、もう少し頻度を増やして対応してください。水質が安定しているときは反対に、頻度を下げても大丈夫です。
水換えの時には、クリーナーポンプを使って底砂も一緒に掃除をします。
半陸生カニの飼育で水皿などを簡易的な水場にしている場合は、常に新鮮な水があるのが理想です。こまめにカルキ抜きをした水を入れ替えて、清潔に保ちましょう。
アクアテラリウムやパルダリウム水槽で一部に水を張っているときは、底面フィルターなどを使って水を循環させるのが効率的です。
こちらも1週間に一度はクリーナーポンプやアクアリウム用のスポイトで排水し、水換えを行います。
カニは丈夫な生き物ですが水質の急変には弱い面があるため、臨機応変に対応しましょう。
カニ飼育のよくあるトラブルと対処方法

熱帯魚や海水魚とは異なる特徴を持つカニの飼育では、特有のトラブルが発生することがあります。
カニ飼育によくあるトラブルとその対処法・予防法を詳しく解説します。
共食い
雑食性のカニを混泳水槽に入れていると、自分よりも小さな魚や脱皮したばかりで殻の柔らかいカニを捕食してしまうことがあります。
共食いの予防には、まず餌を充実させることが重要です。
動物性の餌を定期的に与えて栄養バランスを保ちます。飼育数よりも隠れ家を多めに用意するのも効果的です。
またカニを複数匹飼育している水槽では、脱皮直後の個体をパーテーションや別容器で隔離すると、共食いのリスクを抑えられます。
水草を食べてしまう
水草の食害も良くあるトラブルの一つ。
カニはハサミの力が強いため、しっかり根を張っていない水草は簡単に引き抜いて食べてしまいます。
水草はカニにとっておやつなので、完全に食害を防止することはできませんが、レイアウトを崩されたくないのであれば人工水草で対応するか、比較的食べられにくい葉が硬くてしっかりと活着する、アヌビアス・ナナやミクロソリウムなどの水草を選びましょう。
病気と体調不良
水質や水温の急変などによりカニがストレスを感じると、免疫力が落ちて病気になってしまうことがあります。
特にカニがかかりやすいとされるのが、体表に白い綿のようなものが付着する水カビ病です。
水カビ病の原因は水槽の常在する真菌で、水質が悪化することで発生リスクが高まるため、エサの食べ残しをこまめに取り除き、定期的な水換えや底砂のそうじを欠かさないように注意しましょう。
もし水カビ病が発生してしまったら、脱皮するまで水カビ部分を優しく取り除いて様子を見るか、どうしても治らないときはシュリンプ類に使用可能な薬剤を薄めて薬浴します。
ただ、多くの魚用薬、特に銅が入った薬は甲殻類に悪影響があるため、薬を使わずに隔離水槽に移動して体力回復を目指すのが無難です。
塩水浴による治療も効果がありますが、回数が多い・時間が長いと脱皮不全などの別のトラブルが起きることもあります。
塩水浴は1日1回、10〜15分程度に留めるのがベストです。
においがする
水換えを怠っていると、カニ特有の臭いが発生することがあります。
このような水槽の悪臭は、水質の悪化によるもの。特に水深が浅いと飼育水が臭いやすいため、陸生・半陸生のカニであってもある程度の水量を確保してください。
またエサの食べ残しをこまめに取り除き、底砂の掃除や水換えを定期的に実施して、清潔な環境を維持することも、臭いの抑制に効果的です。
カニ飼育経験者の声

東京アクアガーデンの中で、サワガニを飼育した経験があるスタッフにカニ飼育のコツを聞いてみました。
「淡水カニは、水合わせと水温合わせさえできれば比較的飼育がしやすい生き物だった」というのが感想です。
しかし、反対に水質や水温に問題があるとすぐに調子を崩してしまうところがあるとのことでした。
飼育していたのは子供の頃で、水槽用ヒーターやクーラーなどの専用機材は揃えるのが難しかったようですが、それでも以下のポイントに注意してお世話をしていたところ、4年間も生きたそうです。
- 水槽に入れる前に時間をかけてしっかり水合わせをする
- 意外と水を汚しやすいので水槽導入直後は、水換えをこまめに行う
- 水質管理をしっかりめに行う
- 水合わせができない時は、最初の3日は霧吹きで飼育をし、餌をしっかり食べさせて環境に慣れさせる
霧吹きの水は、飼育水と同じくカルキ抜きした水を使用します。
とにかく環境の急変に注意し、じっくり丁寧にお世話をすることが長生きの秘訣と言えるでしょう。
まとめ:カニを飼育してみよう! 自宅で飼えるカニの種類から飼育方法まで解説します

自宅で飼育ができるカニの種類と、カニ飼育の基本やコツ、注意点を解説しました。
カニは様々な種類が存在し、その生息環境や好みのエサは多岐に渡ります。
カニを飼育するためには、ご自身が飼育したい種類が本来はどのような環境で生活していたかを把握し、できるだけ自然に近い環境を整えてあげることが大切です。
カニは基本的には丈夫で飼育しやすい生物ですが、本来の生息環境とかけ離れた飼育環境では長生きできません。
カニにとって最も快適な環境を用意してあげられるように、事前によく調査してからカニ飼育を始めましょう。
大型ナマズ特集!水槽飼育できる大型ナマズ10選!推奨水槽サイズも紹介
ナマズの仲間は、世界各地の淡水に生息しています。
愛嬌のある表情や丸みを帯びたフォルム、個性的なシルエットなどから、観賞魚としても高い人気を誇る魚種です。
その中でも、今回は大型ナマズに注目し、特徴と飼育する際の推奨水槽サイズについて解説します。
大型ナマズは、購入時はミニサイズですが、最終的に大きな水槽が必要となる種類ばかりです。そのため、最後までお世話が可能かどうか、コラムを参考によく考えてから購入しましょう。
プロアクアリストたちの意見をもとに大型ナマズと推奨する水槽サイズを解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
大型ナマズの中には、サイズや動きの活発さから、個人レベルでは飼育が難しいナマズもいます。
今回は、水槽飼育が可能で、比較的飼育もしやすい大型ナマズをピックアップしました。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、大型ナマズと推奨する水槽サイズを解説します。
大型ナマズ特集!飼育できる10選と推奨水槽サイズ

大型ナマズは、十分なスペースを用意して飼育すれば、餌もよく食べてくれて飼育しやすい魅力的な魚種ばかりです。
飼育できる大型ナマズ10種について、飼育のポイントと推奨水槽サイズをご紹介します。
レッドテールキャット:180cm水槽~
『レッドテールキャット』は、南米アマゾン川流域に生息する大型ナマズです。成長とともに尾びれが赤くなることから名づけられており、ワイルド個体ではその特徴が特に顕著に表れます。
寿命は10年〜15年ほどが一般的で、飼育者にもよく馴れるのでペットフィッシュとして長いお付き合いができるナマズです。
5cm前後の可愛らしいブリード個体が安価で販売されていますが、成長スピードが非常に速いため、すぐに90cm以上の水槽が必要になるでしょう。
飼育下では最大80cm〜1mほどまで成長し、原産地では体長180cmに達する個体もいます。
水槽は180cmが推奨サイズですが、じっとしていることも多いため、150cm水槽でも奥行き60cmの水槽なら飼育は可能です。単独飼育が基本となります。
ナマズ(マナマズ):90cm水槽~
日本在来種の『マナマズ』は、約60〜80cmまで成長する大型ナマズです。
成魚を飼育するなら、120cm水槽が理想的でしょう。
ただし、シェルターの中でじっとしていることが多く、活発に泳ぎ回るわけでもありません。そのため、90cm水槽でも飼育は可能ですが、できるだけ大きな水槽を用意してあげるのが望ましいです。
成長速度は、水温と餌の与え方によって大きく変化します。ゆっくり成長させたい場合には、水温を15〜20℃前後にキープするとサイズを管理しやすくなるでしょう。
パカモン:120cm水槽
『パカモン(パカモンキャット)』は南米に生息する平たい体を持つ大型ナマズで、見た目は海水魚のアンコウに似たような雰囲気をしています。
飼育下では約50〜70cm程度で成長が止まる個体が多いため、水槽サイズは120cmで終生飼育できるでしょう。頭上を通る小魚を捕食する待ち伏せ型のナマズなので、活発に泳ぎ回るタイプではなく、水槽サイズは抑えやすいです。
ただし、他の大型ナマズに比べると水質にデリケートな面もあります。できるだけ水量を多く確保できる水槽で飼育するのがベストです。
餌については、他の大型ナマズに比べるとやや人工飼料に餌付きにくい傾向があるため、小赤などの活餌がメインになります。価格自体が高く、飼育にもコストがかかることも覚えておきましょう。
オキシドラス:150cm水槽~
『オキシドラス』は、装甲車のような硬い皮膚とトゲトゲを持つ大型ナマズです。
水族館などで飼育されていることも多く、広い水槽では飼育下でも1m近くまで成長しますが、一般的な水槽では60〜70cm前後で成長が止まります。
コリドラスを大きくしたような見た目の通り、体が固く柔軟性はあまりないです。また、成長速度が速く、体高と厚みのある体型をしていることから、終生飼育には幅150cm・奥行き60cm以上の水槽がベストでしょう。
性格は温和で雑食性のため、水族館では大型魚水槽のお掃除係としてよく導入されています。
メガロドラス:120cm水槽
『メガロドラス』は同じドラス科に属するオキシドラスと似た、鎧のような皮膚を持つナマズです。
オキシドラスと比べると、メガロドラスは成長がゆっくりです。最終サイズも50cmほどなので、単独飼育なら120cm水槽で十分でしょう。
ドラス科のナマズは、攻撃的な性質の魚種が少ないです。メガロドラスも温和で、150cm以上の水槽であれば他の大型魚との混泳も可能です。
タンダンキャット:120cm水槽~
『タンダンキャット』は、オーストラリアに生息する大型ナマズです。
体長は50〜80cmほどまで成長しますが、柔軟性があるので120cm水槽が用意できれば終生飼育できます。
流通量はあまり多くはありませんが、細長い体と平たい頭は、他の淡水ナマズとは一線を画すシルエットで根強い人気があります。実はタンダンキャットはゴンズイの仲間のため、特徴的なシルエットにも納得できますね。
また、つぶらな瞳も可愛らしいです。
なお、ヒレには強い毒を持っており、メンテナンスの際にはヒレに触れないように、厚手のゴム手袋を使用するなど注意しましょう。
シャベルノーズキャット:180cm水槽~
『シャベルノーズキャット』は、体長80cm〜1mほどまで成長する、南米アマゾン川流域に生息するナマズです。脱皮する魚としても知られています。
東南アジアでブリーディングが行われ、最近では可愛らしい10cm前後のベビーサイズが安価で販売されるようになりました。
体はシャープな流線型をしており遊泳力も強いため、最後まで飼いきるには180cm以上の水槽サイズが必要になります。また、体の柔軟性もあまりなく、驚くと突進する傾向もあるため、奥行きも75cm以上あるとベストでしょう。
広い水槽でゆったり飼育されたシャベルノーズキャットは各ヒレが伸長して、とても優雅な泳ぎを見せてくれます。
混泳も可能ですが、同サイズ程度の魚種でないとできない点には注意しましょう。
デンキナマズ:120cm水槽~
『デンキナマズ』は放電する魚として有名な、むっちりした体型と小さな目が可愛らしい印象を与えてくれるナマズです。
最大400ボルトの電気を放電するためメンテナンス時には注意が必要ですが、実は人懐っこい性格の持ち主で、飼育者にもよく馴れます。
放電の危険があるため単独飼育が基本となり、飼育下でも最大60cmほどまで成長するため水槽は120cm以上がおすすめです。
ゼブラキャット:180cm水槽
『ゼブラキャット』は、シマウマを連想させる美しいゼブラ模様を持つ大型ナマズで、シャベルノーズキャットと同じくスマートな流線型の体をしています。
体長は飼育下で約60〜80cmほどまで成長し、性質は温和なので他の大型魚とも混泳可能です。混泳させる場合は、体長が同じくらいの魚種と混泳させましょう。
酸素濃度の高い環境を好み、振動や水質変化などにやや神経質な面もあります。そのため、できるだけ豊富な水量が確保できる180cm水槽がおすすめです。
セルフィンキャット:120cmワイド水槽~
古くから親しまれている『セルフィンキャット』は、大きな背ビレと長く伸長するヒゲが特徴の大型ナマズです。
南米原産のナマズの中では気の荒い部類に入り、体長も60〜80cmまで成長するため単独飼育が基本となるでしょう。
セルフィンキャットは、ずんぐりした体型でありながら、ある程度の遊泳力も持っています。そのため、水槽サイズは幅120cm、奥行き・高さがどちらも60cm以上のワイドタイプがおすすめです。体長によっては150cm水槽も検討しましょう。
まとめ:大型ナマズ特集!水槽飼育できる大型ナマズ10選!推奨水槽サイズも紹介

ナマズの仲間は世界中の河川や湖沼に生息しており、その環境に応じてさまざまな特徴を持ちます。
大型ナマズもその類に漏れず体型や性質がバラエティーに富んでおり、飼育してみたくなるような魅力的な魚種ばかりです。
ただし、ほとんどの大型ナマズは大食漢で成長スピードがとても速いため、小さなベビーサイズを購入してもすぐに大型水槽が必要になるでしょう。
アクアリウムショップでもよく目にするレッドテールキャットやシャベルノーズキャットなどは、特に大型に成長する魚種です。最低でも、180cm水槽を用意する必要があります。
大型ナマズの持つ魅力を最大限引き出すためにも、まずは特徴や推奨水槽サイズなどの知識を取り入れ、飼育環境を整えてから購入しましょう。
大型ナマズを飼育してみたいと思ったときには、このコラムを参考にしてみてください。
プラケースで飼える魚・生き物8選!プラケース飼育のメリット・デメリット
水辺の生き物を飼育するケースと言えば、ガラス水槽や金魚鉢などが一般的です。
これらの専用の飼育容器は、水生生物を安全に長期飼育できるのがメリットですが、一方ホームセンターやアクアリウムショップに足を運ばなければ購入できず、さらに価格もそれなりにするのでなかなか購入に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
そんな、もっと気軽に生き物を飼育したいという方から支持されているのが、プラスチック製の透明な飼育容器、いわゆるプラケースです。
プラケースには虫取りや川遊びで利用される小型の採取ケースから、30cm以上の大きさがある飼育ケースまで種類が豊富。最近は100円ショップでもプラスチック製の水槽が登場するなど、人気が広まっています。
今回のコラムでは幅広い用途に使用できるプラケースのメリット・デメリットや、プラケース飼育に向いている8種の生き物をご紹介します。
プロアクアリストたちの意見をもとにプラケースで飼える生き物8選を解解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
安価で軽量、扱いやすいプラケースが、水生生物の飼育容器として再注目されています。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、プラケースで飼える生き物8選を解説します。
プラケースで飼える魚・生き物8選

手軽に生き物の飼育を楽しめるプラケースですが、ろ過フィルターや水槽用ヒーターなどの設置が難しいことから、飼育できる生き物の種類が限られます。
プラケースでの飼育に向いているのは、基本的に以下の3つの条件に当てはまる魚や生き物です。
- 水質変化に強い
- 少ない水量でも飼育できる
- 低水温に強く保温の必要がない
長く飼育を楽しむためにも、条件に合う生き物を選びましょう。
ここでは、プラケースで飼育ができる水辺の生き物を8種類ご紹介します。
メダカ
日本の気候変化に適応できて水温や水質の変化にも強いメダカは、プラケースで飼育できる観賞魚の代表格です。
幅20cm以上のプラケースを用意し、スポンジフィルターや投げ込み式フィルターを設置すれば、長期飼育にも十分に対応できるでしょう。
また、メダカ用のソイルを敷いてマツモやアナカリスなどの水草を入れれば、ろ過フィルター無しでも飼育が可能。
水草は光合成をするときに水の汚れである硝酸塩などを吸収してくれるので、多めの水草とこまめな水換えで水質を維持できます。
ヌマエビの仲間
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビを始めとしたヌマエビの仲間も、プラケースで飼育が可能です。
ミナミヌマエビは身近な川でも採集できて、カラーバリエーションが豊富なのが魅力。少し体の大きなヤマトヌマエビならば、お子さんでも観察がしやすいです。
どちらも、横幅30cm以上の大きめのプラケースに葉の柔らかいマツモなどを入れておくと、水草をちまちまと口に運ぶ可愛らしい姿を見られるでしょう。
フィルターを設置するならば、スポンジフィルターや底面フィルターなどの、小さなエビが吸い込まれない安全なタイプがおすすめで、飼育ケース内で繁殖した時も安心です。
ちなみに、エビ類ではスジエビやテナガエビなどもプラケースで飼育可能ですが、これらのエビは肉食性が強く、小さな水槽で複数匹を飼育すると共食いのリスクが高まります。
肉食性の餌は水を汚しやすいことからも、スジエビやテナガエビは一般的な水槽の方が安定しやすいです。
ザリガニ

あまり多くの水量を必要としないザリガニは、プラケースと相性が良いです。
体が大きめなので単独飼育でも30cm~45cmのプラケースを用意してください。隠れ家を入れておくと安定しやすいですが、ザリガニは脱走名人でちょっとした段差を足掛かりに壁を登ってしまうため、オブジェやろ過フィルターは側面から離して中央付近に設置するのが基本です。
雑食性の大食漢で水を汚しやすいため、簡易的なろ過フィルターを設置するか、1週間に1度、半量程度の水換えを行い、清潔な環境を維持します。
また、ザリガニは立派なハサミと足を持っていることから、飼育をしているとプラケースに少しずつ傷が付いていきます。そもそもプラスチックは傷が付きやすい素材なので、劣化して透明度が落ちてきたら、潔く買い替えを検討しましょう。
ツノガエル
ツノガエルの仲間もプラケースで飼育ができます。中でも、ベルツノガエルやクランウェルツノガエルは、成長しても15cm程であまり動かないため、30cm程度のプラケースで終生飼育が可能です。
ケース内の温度管理は、プラケースの下にパネルヒーターを設置して保温するか、エアコンで部屋全体の温度を調節します。
安価で軽いプラケースは生き物のコレクションにもぴったり。複数のプラケースを並べて、様々なカラーのツノガエルをコレクションするのも楽しいでしょう。
イモリの仲間
日本の気候に慣れたアカハライモリやシリケンイモリは、浅めの水位で飼育できるのでプラケースでも管理がしやすいです。プラケースは30cm〜45cm以上の大きめのものを使用します。
ザリガニと同じくイモリの仲間も脱走が得意なので、石や流木はプラケースの中央に置くようにして、必ず蓋も用意しましょう。
イモリは意外に力が強く小さな隙間をこじ開けてしまうため、蓋はしっかり閉めておきます。
またイモリ飼育では、エアレーションと投げ込み式フィルターや底面フィルターを組み合わせて水を清潔に保ち、皮膚炎などの病気を予防するのが長期管理のポイントです。
アカヒレ
アカヒレは、熱帯魚でありながら屋外でも飼育ができるほど水質変化や温度変化に強いことから、20cm程の小さなプラケースでも飼育が可能です。
ボトルアクアリウムでもお馴染みの魚種なので、水草などを飾ってインテリアとして仕上げるのもおすすめ。
アカヒレはオス同士のフィンスプレッティングやネオンテトラにも似た輝きを観察できるので、プラケース内でも高級感のあるアクアリウムになります。
プラケースは軽量で水換えや掃除が簡単なので、ガラス製のボトルなどよりも扱いやすいでしょう。
サワガニ
サワガニは低水温に強く浅い水位でも飼育ができることから、プラケースでも飼育ができます。
ただ、野性では酸素が豊富で水がきれいな小川を好むことから、飼育環境でも清涼な水が必須。
30cm以上の大きなプラケースを用意し、サワガニ1〜2匹に対して3〜5L程の水量を確保するのが飼育の条件です。
また、ザリガニなどと同様に力が強く脱走が上手なので、背の高い装飾品は避けて、必ず蓋を設置しましょう。
ミジンコ
メダカなどの活餌として活用されるミジンコは、プラケースで簡単に飼育繁殖ができます。
インターネット通販やアクアリウムショップなどで販売されているミジンコを購入して、カルキを抜いた水を張ったプラケースに入れておくと、あっという間に増殖するため、お子さんの自由研究などにもおすすめ。プランクトンの一種ですが、肉眼でもちょろちょろと水中を泳ぐ姿を観察できるので、非常に興味深いです。
過密飼育気味になると酸欠で命を落としてしまうため、1〜3週間を目安に定期的に飼育容器をリセットするか別の容器に分ける必要がありますが、プラケースであれば移動や水換えがしやすく、飼育数を管理しやすいでしょう。
プラケース飼育のメリット・デメリット

手軽に生き物を飼育できるプラケースですが、水生生物の長期飼育を念頭に作られた容器ではないことから、いくつか注意したい点も存在します。
ここでは、プラケースのメリット・デメリットをご紹介しますので、飼育を始める前に確認しておきましょう。
メリット:軽量で設置や移動が楽!
プラケースの最大のメリットは、軽くて扱いやすいところです。
ガラス水槽を複数並べると、水槽の重さだけでもかなりの重量になりますが、プラケースなら軽量なので設置や移動が楽に行えます。
色々な生き物をコレクションして楽しみたいときや、繁殖した稚魚を成長具合で仕分けたいときなど、様々な場面で重宝するでしょう。
また、多少手荒に扱ってもガラス水槽のように割れてケガをする心配が少ないため、小さなお子さんがいるお家でも安心です。
デメリット:多量の水や重いアイテムは入れられない!
プラケースで水辺の生き物を飼育する際に特に注意したいのが、水量の少なさです。
大型のプラケースでも、やはり専用の水槽に比べると容量が少なく、魚を飼育するにはやや物足りない印象を抱くことも多いでしょう。
そもそもプラケースは、満水にして長期間使用するようには設計されていません。基本的に板厚が薄くて水圧に弱いため、満水で使用を続けているとひび割れのリスクが高まります。
水を入れて長期使用するときは、水位を1/5〜1/3程度に留め、重量のある岩やオブジェなどの使用は避けましょう。
また、劣化が見られたらすぐに買い替えることも重要です。
まとめ:プラケースで飼える魚・生き物8選!プラケース飼育のメリット・デメリット

軽量で扱いやすいプラケースは、気軽に生き物を飼いたいときにぴったりの飼育容器です。
最近は魚の飼育にも使える大容量タイプや、ガラス水槽のように鑑賞性が高いもの、100円ショップで購入できる安価なものなど、かなりバリエーションが増えてきています。
水槽に比べると水量が控えめですが、水質や水温の変化に強いメダカやアカヒレ、低い水位で飼育ができるツノガエルやザリガニ、イモリなど様々な生き物の飼育が可能。
繁殖したメダカの仕分けや生き物のコレクションにもおすすめです。
プラケースのメリットを最大限に活かして、生き物飼育にぜひ活用してみましょう。
魚の脱肛・脱腸について!熱帯魚・金魚・メダカの脱腸対策・治療方法
魚のお尻の辺りが盛り上がっていたり、肛門からフンではない何かが出ているように見えたら、脱肛や脱腸を起こしている可能性が高いです。
様々な生き物で起こることがある脱肛や脱腸は、観賞魚の場合、主に餌の与えすぎや消化不良が原因となって発症します。
すぐに死んでしまうような緊急性の高い症状ではないものの、放置すると細菌感染を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
とはいえ過度に心配する必要はなく、正しい知識を持って適切な予防と治療を行えば症状の改善が期待できます。見た目のインパクトが大きいので初めて見た方は驚いてしまうかもしれませんが、落ち着いて対処しましょう。
そこで今回は、魚の脱肛・脱腸について、脱肛・脱腸の見分け方から、起こりやすい魚種の特徴、予防のコツ、症状が出たときの治療まで詳しく解説します。
プロアクアリストたちの意見をもとに魚の脱肛・脱腸の対策と治療法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
魚の消化不良などが続いていると、脱肛や脱腸を引き起こすことがあります。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、魚の脱肛・脱腸の対策と治療法を解説します。
魚の脱肛・脱腸とは

魚の肛門に起こるトラブルは、症状の進行具合によって脱肛と脱腸に呼び分けられます。
ここでは、魚の脱肛・脱腸の症状と原因を解説します。
どちらも似たような症状ですが、それぞれ対処法や緊急度合いが異なりますので、見分け方や原因を知っておくと安心です。
魚の脱肛・脱腸の症状
脱肛と脱腸はどちらも肛門付近に異常が現れる症状ですが、厳密には状態が異なります。
- 脱肛:肛門やその周りがやや赤く腫れて盛り上がったように見える
- 脱腸:肛門からピンク色や赤色の腸や粘膜が飛び出している
症状の進行具合としては脱腸の方が進行している状態で、多くの場合は脱肛の段階で収まります。
しかし、何らかの原因で脱腸まで進行すると飛び出した内臓が細菌に感染してしまう危険があるため、早めに対応する必要があるでしょう。
脱肛や脱腸はすぐに命に関わるような症状ではありませんが、放置せずしっかり治療を試みることが大切です。
脱肛・脱腸の原因
症状が微妙に異なる脱肛と脱腸ですが、原因はどちらも餌の食べ過ぎや消化不良によるものと考えられます。
腸の内容物が増え過ぎると腹圧が上昇し、肛門から内蔵組織が押し出されてしまうのです。
中でも抱卵期のメスは、そもそも卵で体内のスペースが圧迫されているため、少しの消化不良からあっという間に脱腸に進行してしまうこともあります。
体力を使う繁殖シーズンに向けて魚を太らせたい時でも、無理に食べさせるのではなく、脱肛や脱腸のリスクを考えながら給餌量を調整することが大切です。
量を変えずに繁殖用の高カロリーな餌に切り替えるなどの工夫を検討してみましょう。
また水温が低いと消化機能が落ちるため、季節の変わり目などは特に注意します。
日々、魚の状態や環境をよく観察し、状況に合わせた給餌を心がけてください。
脱肛・脱腸しやすい魚種

どんな魚でも脱肛や脱腸になる可能性はありますが、魚種ごとの体の構造や繁殖の性質の違いによりなりやすさが変わります。
ここでは、脱肛・脱腸に特に注意したい魚種を6種類ご紹介します。
メダカ
繁殖がしやすく抱卵する機会の多いメダカは、体内が圧迫されやすく脱肛や脱腸になりやすい魚種です。
中でもダルマメダカのような胴の詰まった特殊な体型の品種は、通常のメダカよりもさらにリスクが高め。
繁殖シーズンを迎えた親魚には餌をたくさん与えて太らせるのが定石ですが、脱肛・脱腸の危険を回避するならば、一度の量を控えめに1日3回程度に回数を増やして、食べた餌をちゃんと消化する時間を設けてあげると安全です。
卵胎生メダカ
グッピー、プラティ、モーリー、ソードテールなどの卵胎生メダカの仲間も、妊娠しやすくお腹が圧迫されがちです。
卵胎生メダカは体内でたくさんの稚魚を育てて産む習性があることから、妊娠中は餌の食べ過ぎや消化不良に十分注意してください。出産するまでは餌を1日2〜3回に小分けにしてあげると良いでしょう。
またこの時期のメスは特にデリケートな状態にあるため、可能ならば別水槽に隔離して、餌の量だけでなく水質にも気を配ってあげることが大切です。
丸い体型の金魚
らんちゅう、琉金、ピンポンパールなどの丸みを帯びた体型の金魚は、背骨が短く腸が圧迫されやすい構造をしています。
このような体型の金魚は消化不良を起こしやすく、脱肛・脱腸になるリスクが高めなので、餌の与え過ぎに注意しましょう。特に冬場は水温低下により消化機能が落ちるため、給餌量を控えめにするのが適切です。
和金のようなスマートな体型の金魚と比べると、丸い体型の品種は餌やりや飼育環境にやや気を使う場面が多いと言えます。
ベタ
ベタは、内臓の多くが頭部周辺に集まる独特の体内構造をしています。
この構造はそもそも圧力に弱い上に肉食性の餌を好むことから、一般的な魚よりも消化不良や脱腸、腸閉塞などを起こしやすいです。
飼育環境ではできるだけ消化がしやすい小粒の人工餌を選び、赤虫などの活餌はおやつ程度の少量に留めると、健康を維持しやすいでしょう。
ベタは食欲旺盛な個体が多いですが欲しがるままに与えるのではなく、適量を守ることが大切です。
アフリカンシクリッド(ムブナ系)
アーリーやカエルレウスなど、草食性が強いムブナ系のアフリカンシクリッドは、植物性の餌が不足すると便秘になりやすいという特徴があります。
飼育環境でも動物性の餌が多いと便秘になり脱腸のリスクが上がるため、普段から植物性の餌をバランスよく取り入れることが大切です。
実際、東京アクアガーデンが管理する水槽でも、ムブナ系を飼育する水槽では動物性の餌を控えめにしています。
アフリカンシクリッドに限った話ではありませんが、食性に合わせた餌を与えることが大切です。
ショートボディの品種
バルーンモーリーやフラワーホーンなど、ショートボディの品種も脱肛・脱腸に注意が必要です。
胴が短く腸が入るスペースが圧迫されやすいため、少しの消化不良でも脱肛・脱腸になるリスクが上がります。このような品種を飼育する際は、水温を高めに設定して消化を促進し、便秘にならない環境作りを心がけましょう。
見た目のかわいらしさから人気の品種ですが、体型の特性を理解したうえで適切な飼育管理を行うことが重要です。
魚の脱肛・脱腸を予防するには

脱肛・脱腸は、日頃の飼育管理で予防できます。
ここでは、脱肛・脱腸を防ぐための2つの対策をご紹介します。
治る可能性があるとはいえ、脱肛・脱腸は魚に大きく負担を掛ける病気です。健康に長生きさせるため、可能な限り予防しましょう。
一度の餌量は控えめを心がける
脱肛・脱腸の予防で一番重要なのが、餌量のコントロールです。
食べ過ぎはもちろん、常に満腹状態まで食べさせているとお腹が膨らんで、体内が圧迫されてしまいます。特に体が短いタイプや丸い体型の魚種の場合は餌を控えめに、腹七〜八分目を意識しましょう。
先ほども触れた通り抱卵中や出産間近のメスに対しては、一回の餌の量を減らし、その分与える回数を増やして対応します。
また餌の種類も大切で、消化しやすいフレークタイプや小粒のペレットを選ぶと、消化不良のリスクを抑えられます。
赤虫などの活餌は嗜好性が高いものの、与えすぎると腸に負担がかかるため、おやつ程度に留めておくのが無難です。
魚は餌を与えれば与えるだけ食べてしまう傾向があるため、飼い主側で適切な量を管理するようにしてください。
水温・水質管理を徹底する
基本的な水温や水質の管理を徹底するというのも、脱腸予防に効果的です。
水温が低いと魚の代謝が落ち、消化機能も低下してしまいます。便秘気味の個体がいる場合は、水温を少し高めに設定して代謝を促すと、症状が改善しやすいです。
ただし急激な温度変化は魚のストレスになるため、1日1℃程度を目安に時間をかけて水温を上げていきましょう。
また、アンモニアや亜硝酸が蓄積した水槽は、魚が体調を崩しやすく消化機能にも悪影響です。定期的な水換えや底砂掃除、ろ過フィルターのメンテナンスなどを行い、適した水質を維持しましょう。
また万が一脱腸が発生した場合は、細菌感染を防ぐために水槽掃除を徹底し、いつも以上に清潔な環境を整えてください。
日頃から水質を安定させておくと、いざというときの回復も早まります。
魚が脱肛・脱腸したときの治療方法

いくら予防を心がけていても脱肛・脱腸が起きてしまうことはありますが、適切な対処を行えば症状が改善するケースも少なくありません。
最後に、脱肛・脱腸したときの治療方法をご紹介します。
いざという時に落ち着いて対処できるよう、治療方法を覚えておくことも大切です。
絶食する
脱肛・脱腸を起こしたら個体を見つけたら、まず絶食です。
症状が出ていても、初期段階で体内の圧力が弱まれば時間の経過とともに元に戻る可能性があります。
該当の個体を隔離し、腸の中身を減らすために3〜5日ほど餌やりをやめて様子を見ましょう。
絶食する日数は魚の状態に合わせて、体力のない小さな魚は短めに、体調が安定している成魚であれば5日程度が目安です。
絶食中は魚をよく観察、症状が改善しているか悪化していないかを毎日チェックしてください。
回復してきたら消化しやすい餌を少量から再開し、様子を見ながら通常の給餌に戻していきます。
ちなみに魚は数日間の絶食ならば、健康に影響はありません。症状を悪化させないために、思い切って絶断食を検討しましょう。
塩水浴や薬浴、隔離
症状が軽いときは、絶食期間中に塩水浴をするのも良い方法です。
塩水浴は浸透圧の効果を利用して魚の体力を温存し、治癒を早める効果が期待できる治療法で、ちょっとした消化不良の改善などにも効果的。
金魚やメダカなど塩水浴ができる魚種であれば、濃度0.5%の塩水でコンディションを整えると、脱肛や脱腸の症状が治まりやすくなります。
また、脱腸の程度が大きく内蔵の組織が明らかに露出している場合は、感染予防としてメチレンブルーでの薬浴が有効です。
いずれの治療を行う場合も、基本的には病魚を別容器に隔離し、状態に合わせて個別に対応したほうが適切な環境を整えられます。
特に肉食性の強い魚や好奇心旺盛な魚がいる水槽では、脱腸部分を突かれてしまう危険があるため、必ず隔離して治療を進めましょう。
まとめ:魚の脱肛・脱腸について!熱帯魚・金魚・メダカの脱腸対策・治療方法

魚の脱肛・脱腸の症状や原因、なりやすい魚種、そして対策と治療方法を解説しました。
脱肛は肛門が盛り上がった状態、脱腸は腸や粘膜が体外に出てしまった状態を指します。すぐに命に関わるようなことは少ないものの、放っておくと細菌感染を起こす危険があるため、見つけたら早急に対処しましょう。
主な原因は餌の与えすぎと消化不良で、腸が膨らんで腹圧が高まることで発症します。卵胎生メダカやショートボディの品種など、圧迫されやすい特性をもつ魚種を飼育している場合は特に注意が必要です。
予防のポイントは、餌を控えめにすることと水温・水質管理の徹底です。少量の餌を複数回に分けて与え、消化の負担を軽減しましょう。
万が一発症してしまった場合は、まず3〜5日の絶食を試してみてください。金魚やメダカであれば0.5%の塩水浴も効果的で、症状が重い場合はメチレンブルーを使った薬浴を行います。
脱肛・脱腸は見た目のインパクトが大きく、発症すると慌ててしまいがちですが、正しい知識と対処法を知っていれば決して怖くありません。
日頃から適切な給餌量と水槽環境を守り、魚たちの健康を維持していきましょう。
熱帯魚の栄養不足とは!お腹・ヒレ・背骨・体色の症状や解消方法を解説
水槽の熱帯魚を観察していると「最近少しやせてきた気がする」「ヒレの状態が前と違う」と感じることはありませんか。
実はこのような変化は、栄養不足のサインである可能性があります。
毎日しっかり餌を与えていても、量や種類が合っていないと魚たちは徐々に体調を崩してしまうことがあるからです。
特に成長期の稚魚や幼魚は、栄養バランスの影響を受けやすく、一度発育不良になると回復が難しいケースも少なくありません。
熱帯魚の栄養状態は、お腹のへこみやヒレの状態、背骨のライン、そして体色の変化などから読み取ることができます。これらのサインに早めに気付き、適切な対処ができれば、すぐに元気な状態を取り戻せるでしょう。
今回は、熱帯魚の栄養不足について解説します。
栄養不足を見分けるポイントと、その解消方法をご紹介しますので、日々の観察や飼育管理の参考にしてください。
プロアクアリストたちの意見をもとに熱帯魚の栄養不足を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
毎日餌を与えていても、熱帯魚が栄養不足になってしまうことがあります。
放っておくと免疫力が低下し本格的に体調を崩してしまいますので、サインを見逃がさず早急に対処することが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、熱帯魚の栄養不足を解説します。
熱帯魚の栄養不足は体型でわかる!

熱帯魚の栄養状態は、体型の変化からある程度判断できます。
お腹のへこみやヒレの状態、背骨のラインなど、日々の観察で変化に気付けるかがポイントです。
ここでは栄養不足の代表的なサインをご紹介します。
お腹がへこんできた
以前と比べて熱帯魚のお腹がへこんでいたり、頭部が痩せて見えたりするのは、栄養不足の典型的な症状です。
しっかり栄養が取れている健康な個体は、適度にふっくらとした体型をしているため、明らかにやせ細っている場合は餌の量や質を見直します。
成魚になってからの栄養不足は、餌の量を調整することで比較的回復しやすいです。
毎日の給餌量を少し増やしたり、栄養価の高い餌に切り替えたりすることで、徐々に体型が戻ってくるでしょう。
一方、成長期の稚魚や幼魚の場合、この時期に十分な栄養を摂れないと成長そのものに影響が出てしまうケースが多いです。
栄養不足のまま成魚になっても肉付きが発達しにくく、本来のサイズまで育たないケースも珍しくありません。
このことから、成長期の栄養管理は特に慎重に行いましょう。
ヒレが破れる・ハリがなくなる
ストレスや栄養不足でコンディションが悪くなると、ヒレにも異変が現れます。
具体的には、ヒレに小さな穴(ピンホール)が開いたり、端が破れやすくなったりなどです。
このような症状はベタやグッピーなど、ヒレが薄く繊細な魚種で起こりやすい傾向があり、特にピンホールは一度開いてしまうと回復が難しく、跡が残ってしまうケースも少なくありません。
そのため、ヒレの異変は治療よりも予防が何より重要です。栄養バランスの取れた餌を与え水質を安定させるなど、飼育環境を整えることがトラブルの防止に繋がります。
美しいヒレが魅力の魚だからこそ、日頃からよく観察し美しい状態を維持しましょう。
背骨が曲がる
稚魚や幼魚の時期に栄養が不足すると、発育不良から背骨が曲がってしまうことがあります。
横から見てみると、背中のラインがS字やV字にゆがんでいるのがわかりやすいです。
背曲がりには遺伝的な要因もありますが、栄養不足に加えて狭い水槽での飼育が重なると発症リスクが上がると言われています。また、過密飼育による酸素不足も背曲がりを引き起こす1つの原因です。
残念ながら、一度曲がった背骨が元に戻ることはありません。
成魚になってからでは手遅れなので、幼魚のうちから栄養バランスを意識した給餌を心がけることが大切です。
特に骨の形成に必要な栄養素をしっかり与えて、適切な飼育密度を保つようにしましょう。
熱帯魚の体色と栄養不足の関係

体型の変化に加えて、体色も熱帯魚の健康状態を知る重要な手がかりになります。
ただ、色の変化にはさまざまな要因が絡んでおり、体形の変化ほど単純に「色が薄い=栄養不足」とは言い切れないのが難しいところです。
ここでは体色の変化と栄養の関係について解説します。
体色が薄い=栄養不足とは限らない
熱帯魚の体色が薄くなったりくすんで見えたりすると、栄養不足や体調不良を疑ってしまいますが、実際は照明不足や水温の低下が原因であることの方が多いです。
このような体色の変化が見られたらまずは飼育環境を見直してみましょう。
照明の明るさや点灯時間は適切か、適温になっているか、底砂の色が体色に影響を与えていないかなど、チェックすべきポイントは複数あります。
魚種によっては餌からの色素補給が足りていない可能性もありますが、環境を整えた上で餌の種類や量を考えた方が確実です。
また意外と知られていませんが、加齢による変化の可能性もあります。人間の髪が白髪になるように、熱帯魚も老齢になると鱗が白っぽくなることがあるため、魚の年齢も考慮して判断することが大切です。
黒ずみは病気や体調不良に注意
体色の変化で特に注意が必要なのが、体の黒ずみです。
何らかの原因で代謝が落ちると、熱帯魚の体色は黒っぽく変化することがあります。
黒ずみの原因として考えられるのは、低水温や水質悪化によるストレス、そして体表の病気などです。いずれも放置すると悪化する可能性があるため、早めの対処が求められます。
特にベタやミドリフグ、海水魚などは病気や体調不良の影響が体色に出やすいので、泳ぎ方や餌への反応、普段の行動パターンなどをよく観察し、異常があれば隔離して早めに治療を開始しましょう。
また水槽内に藍藻(シアノバクテリア)が発生している環境では、魚たちが体調を崩して黒ずみやすくなります。
藍藻は水質悪化のサインでもあるため、発見したらすぐに除去し、環境改善に取り組むことが大切です。
熱帯魚の栄養不足を解消するには

熱帯魚の栄養不足のサインに気づいたら、何よりも早めに対策をすることが大切です。
餌の与え方を工夫するのはもちろん、飼育環境全体を見直すことで、魚たちのコンディションを改善することができるでしょう。
ここでは、熱帯魚の栄養不足を解消する具体的な方法をご紹介します。
同じ人工飼料を続けて与える
栄養不足と聞くと、バランスを考えて複数種類の餌をローテーションしたり、カロリー満点な活餌を中心に変更した方が良いのではないかと考えられる方もいるでしょう。
しかし、実は栄養不足時こそ、定番の人工餌を継続して与え続けるのがおすすめです。
市販されている定番の人工飼料には、熱帯魚に必要な栄養素がバランスよく配合されており、同じ餌を与え続けることで栄養バランスが安定して体調を維持しやすくなります。
人工餌にはミネラル類も含まれているため、骨格や鱗の形成にも効果的。熱帯魚を健康的に成長させたいなら、良質な人工餌を継続して与えましょう。
反対に、餌の種類を頻繁に変えすぎるとかえって栄養バランスが崩れることもあるので、注意してください。
稚魚・幼魚にはリンを積極的に摂取させよう
稚魚から幼魚にかけての成長期に、積極的に摂取したいのがリンです。
リンは体の基本となる骨格や免疫の形成に深くかかわる栄養素で、子供の時期にしっかり摂取できた個体は丈夫に育ちやすくなり、背曲がりなど骨に関するトラブルも予防できます。
稚魚の餌としてよく名前が上がるブラインシュリンプは、リンが豊富なことで有名です。活餌としてそのまま与えるのはもちろん、ブラインシュリンプを原料にした人工餌を与えることでもリンを摂取させられます。また、オキアミやミジンコなどもリンを摂取するのにおすすめです。
幼魚期の栄養管理が、将来の体型や健康状態を左右するといっても過言ではありません。
稚魚の餌を選ぶ際はリンの含有量も確認するようにしてください。
栄養剤を添加する
熱帯魚用の栄養剤やビタミン剤を活用して、栄養不足を解消する方法もあります。
これらの添加剤は飼育水や生餌に添加して使用する物で、一時的に栄養を補強したいときや特定の栄養素を強化したいときに便利。
通常の餌だけでは補いきれない栄養素を効率よく摂取させられることから、主に産卵期の親魚の体力維持や、病気から回復中の個体のサポート、そして稚魚の成長促進などのタイミングで活躍します。
ただし、栄養剤を入れすぎると飼育水中の栄養分が過剰になり、水質悪化を招く恐れがある点には注意してください。
あくまでサポート的な位置づけとして、用法、用量を守って使用することが大切です。
照明や水温・水質を調整する
どれだけ栄養のある餌を与えても、魚がしっかり吸収できなければ栄養不足は解消されません。
魚が栄養を吸収するには、照明や水温などが整った適切な飼育環境が必要不可欠。飼育環境を今一度見直し、環境を整え直すことも重要です。
熱帯魚は通常、1日あたり約8時間程度の照明が望ましいとされています。照明時間が適切でないとバイオリズムが乱れて活性が下がり、餌を食べる量が減ってしまうことも。
また、水温は魚種によって差異はあるものの、概ね24〜27℃の範囲であれば問題ありません。
大切なのは、設定した水温を通年で維持することです。
例えば26℃設定であれば、季節を問わず26℃から変動しないよう調整します。特に真夏と真冬は外気の影響で変化しやすいため、水槽用クーラーや水槽用ヒーターはもちろん、水槽の置き場所やエアコンの当たり具合など、周りの環境を含めて整えましょう。
水温が安定すると熱帯魚のコンディションも改善し、栄養の吸収効率も上がります。
餌をしっかり与えているのに痩せてしまうといったときは、飼育環境の見直しをしっかりとしてみてください。
まとめ:熱帯魚の栄養不足は体型でわかる!お腹・ヒレ・背骨・体色などを解説

熱帯魚の栄養不足について解説しました。
熱帯魚の栄養不足は、体型や体色の変化から読み取ることができます。代表的症状はお腹のへこみや頭部の痩せ、ヒレのピンホールや背骨の曲がりも気を付けたいポイントです。
体色の変化は必ずしも栄養不足が原因と断定はできませんが、一つの要因となることは確かですので、照明や水温などの環境要因を含めて総合的に判断しましょう。
栄養不足の解消には、まずは定番の人工餌を継続して与えます。また成長期の稚魚にはリンを含む餌を意識し、栄養価が高い餌を与えましょう。
さらに照明時間や水温管理なども整えることで、魚たちの健康を維持しやすくなります。
そして、何よりも毎日の観察を通して、小さな変化をも逃さないようにすることが大切です。
ワイド水槽とは!メリット・デメリットと奥行きを活かした水槽事例
水槽を眺めていると、「もう少し奥行きがあれば、レイアウトが決まるのに」「魚が泳ぐのに少し窮屈そうだな」などと感じることはありませんか?
あと少し大きな水槽だったら、と思う方も多いでしょう。
そんな「あと一歩の物足りなさ」を解消しやすいのが、ワイド水槽です。
今回のコラムは、ワイド水槽の概要から、メリット・デメリットまで幅広く解説します。
実際の設置事例も紹介しますので、ワイド水槽の導入を検討している方はもちろん、アクアリウムの幅を広げたい方もぜひ参考にしてください。
プロアクアリストたちの意見をもとにワイド水槽について解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
ワイド水槽とは、一般的な規格水槽より奥行きが広い水槽を指します。奥行きが広い分、水量や遊泳スペースに余裕が出やすく、規格水槽では難しい立体的なレイアウトや大型魚の飼育が可能です。
一方で、重量が増すことや掃除の手間など、事前に把握しておきたいデメリットもあります。購入前にメリット・デメリットの両方を理解しておくことが大切です。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ワイド水槽について解説します。
ワイド水槽とは

ワイド水槽とは、規格サイズよりも奥行きが広い水槽のことです。横幅が同じでも奥行き方向に空間が生まれるため、見た目の印象が変わります。
代表的なサイズとして挙げられるのは、60cmワイド水槽(W60×D45×H45cm)や120cmワイド水槽(W120×D60×H45cmなど)などです。60cm規格水槽の場合、標準サイズはW60×D30×H36cmですから、ワイド水槽は奥行きが15cm、高さが9cm大きくなっています。
この差は見た目以上に大きく、水量が大幅に増加するのです。60cm規格水槽の水量は約60リットルなのに対し、60cmワイド水槽は約110リットルと、ほぼ2倍近い容量を確保できます。
水槽を正面から眺めたとき、奥行きと高さがあるぶん迫力のある水景を楽しめるのもワイド水槽ならではの魅力です。大型魚がゆったりと泳ぐ姿や、奥行きを活かした立体的なレイアウトは、規格水槽ではなかなか再現できません。
アクアリウムをより本格的に楽しみたい方や、飼育する魚のサイズに余裕を持たせたい方にとって、ワイド水槽は有力な選択肢となるでしょう。
ワイド水槽のメリット

ワイド水槽には、規格水槽にはない多くの魅力があります。
水量の確保やレイアウトの自由度、水質の安定性など、アクアリウムをより快適に楽しむためのメリットが豊富です。
ここでは、ワイド水槽のメリットについて解説します。
水量や遊泳スペースを多めに確保できる

ワイド水槽の最大の強みは、水量と遊泳スペースを十分に確保できる点です。奥行きが広がるぶん、同じ横幅の規格水槽と比べて水量は大幅にアップします。
水量が増えれば、大型魚の飼育にも余裕が生まれるでしょう。アロワナやポリプテルスなど体長のある魚も、窮屈さを感じさせずにのびのびと泳げます。
特に体が硬い大型魚は、奥行きがないと無理な体勢を強いられ、体型が崩れてしまうことも。奥行きがあればUターンするにも余裕が出るので、健康維持にも繋がるのです。
また、中型魚を複数匹飼育したい場合にも、遊泳スペースに余裕があるため魚同士のストレスを軽減できるでしょう。
さらに、横幅自体は規格サイズと同じなので、水槽用照明など上置きの機材選びに困ることも少ないです。規格水槽用のアクセサリーをそのまま流用できるケースも多く、水槽以外の機材コストを抑えられる場合もあります。
奥行きあるレイアウトができる

規格水槽よりも奥行きに余裕があるワイド水槽は、レイアウトの自由度が格段に高まります。大胆な流木の配置や迫力のある岩組など、規格水槽では難しかった表現も実現しやすくなるでしょう。
レイアウト素材を多めに配置しても、魚たちの遊泳スペースを損なう心配が少ないです。隠れ家を増やしながら泳ぐ空間もしっかり確保できるため、魚にとってもストレスの少ない環境を作れます。
ただし、高さがあるタイプのワイド水槽は、照明の光が底面まで届きにくい点には注意してください。水草育成を考えている場合は、光量の強いライトを選ぶか、陰性水草を中心に選ぶのがおすすめです。
一方で、水中照明の設置には最適な環境といえます。アロワナなどの古代魚を飼育する際には、水中照明でより美しい体色を楽しめるでしょう。
水質が安定しやすい
水量が多いワイド水槽は、水質が安定しやすいというメリットもあります。水の総量が増えると、温度変化や水質の急変が起こりにくくなり、魚への負担を軽減できるのです。
さらに、外部フィルターやオーバーフロー式の濾過槽を併用すれば、総水量がさらにアップします。濾過能力に余裕が生まれるため、大型魚の飼育や多くの魚を群泳させる場合にもより安心できるでしょう。
水質が安定することで、水換えの頻度を多少減らせる可能性もあり、日々のメンテナンス負担が軽くなるケースもあります。
飼育する魚の数が多い方や、水質管理に不安を感じている初心者の方にとって、ワイド水槽の安定性は大きな安心材料です。
ワイド水槽のデメリット

魅力の多いワイド水槽ですが、デメリットもいくつか存在します。
重量の問題や入手のしにくさなど、規格水槽とは異なる注意点を押さえておきましょう。
ここでは、ワイド水槽のデメリットについて紹介します。
規格水槽より重量がある

ワイド水槽は水量が多いぶん、重量も増加します。奥行きや高さが大きくなると水槽にかかる水圧も上がるため、ガラスやアクリルの板厚が規格水槽よりも厚めなのが一般的です。
また、本体自体が重いことに加え、水を張った状態での重量差はさらに大きいので注意しましょう。
たとえば、60cm規格水槽の総重量が約70kgなのに対し、60cmワイド水槽は約150kg近くになることもあります。
そのため、頑丈なワイド水槽専用の水槽台は必須です。一般的な家具や棚では重量に耐えられず、事故につながる危険性があります。
さらに、搬入時にも注意が必要で、サイズによっては一人で運ぶのは難しいかもしれません。安全な作業をするためにも、人手を確保して搬入することをおすすめします。
水槽台については、こちらのコラムも参考にしてください。
市販で購入できないことが多い

ワイド水槽の難点として、入手のしにくさが挙げられます。60cmワイド水槽は比較的市販されていますが、それ以外のサイズは市販品がほとんどありません。
120cmワイド水槽や150cmワイド水槽などの大型サイズを希望する場合、ほとんどのケースで特注製作となるでしょう。大型水槽専門やオーダーメイド水槽を扱うショップに依頼する必要があり、既製品を購入するよりも費用と時間がかかります。
水槽台についても同様で、ワイド水槽のサイズや重量に合わせて設計された専用の台を、水槽本体と合わせてオーダーメイドで発注するのがおすすめです。
このように、どうしても初期費用は規格水槽よりも高くなりますが、自分だけの理想的な水槽環境を手に入れられるのは大きなメリットといえます。
掃除が大変!
ワイド水槽のメンテナンスは、規格水槽に比べて手間がかかる点がデメリットです。水量が多いため水換えの作業量も増えますし、掃除する範囲も当然広がります。
特に高さ45cm以上のワイド水槽になると、腕が底まで届かないこともあるでしょう。東京アクアガーデンでも、脚立や踏み台を使用してメンテナンスを行っています。
ガラス面のコケ掃除には、マグネットクリーナーの併用がおすすめです。水槽内に手を入れずに掃除できるため、日常的なメンテナンスがぐっと楽になります。
また、長いピンセットやホースなど、奥行きや高さに対応できる道具も揃えておきましょう。
ワイド水槽は掃除の手間は増えますが、工夫次第で負担は軽減できます。便利なグッズを活用しながら、無理のないメンテナンスをしてください。
こちらのコラムでは、大型水槽のメンテナンスについて解説しています。
ワイド水槽の事例

ここからは、実際に東京アクアガーデンで設置・管理しているワイド水槽の事例を紹介していきます。
サイズや用途によってレイアウトの方向性は大きく異なりますが、いずれも奥行きを活かした水槽ばかりです。ワイド水槽の導入を検討する際の参考にしてみてください。
150cmワイド水槽:個人宅のアロワナ水槽

W150×D90×H90cmという大型のワイド水槽で、個人宅に設置されたアロワナ水槽です。高さも奥行きも十分に確保されており、迫力のある水景が広がっています。
この水槽では、遊泳層の異なる複数の魚種を飼育しているのが特徴です。上層を優雅に泳ぐアジアアロワナ、中層付近で存在感を放つダトニオとカラープロキロダス、そして底層でどっしりと構えるポリプテルス。それぞれの魚が、自分のテリトリーで快適に過ごせる設計になっています。
中〜大型の魚種を混泳させるには、高さと奥行きの両方が必要不可欠です。オーダーメイドで製作されたワイド水槽だからこそ、実現できたといえるでしょう。
照明には水中照明を採用し、底板、背板を黒くすることで、アロワナの美しさを引き立てています。大型魚飼育の醍醐味を存分に味わえる、まさに理想的な水槽環境です。
60cmワイド水槽:オフィスの海水魚水槽

企業のオフィスに設置された、W60×D45×H45cmの海水魚水槽の事例です。60cmワイド水槽は市販品も多く、比較的導入しやすいサイズとして人気があります。
この水槽では、高さと奥行きを最大限に活かした立体的な岩組が印象的です。ライブロックを積み上げて複雑な地形を作り出しており、遠くから眺めても目を惹く仕上がりになっています。
ワイド水槽ならではの存在感が、空間の雰囲気を一気に華やかにしてくれるでしょう。
また、隠れ場所が増えることで、気が強いカクレクマノミなどの小競り合いを防ぐ効果も期待できます。魚同士のストレスが軽減され、健康的な飼育環境を維持しやすくなるでしょう。
このように、立体的なレイアウトには、見た目の美しさだけでなく実用的なメリットもあるのです。
45cmワイド水槽:薬局の水草水槽

薬局に設置された、W45×D45×H50cmの水草水槽です。コンパクトながらも奥行きと高さがしっかり確保されており、限られたスペースでも本格的な水草レイアウトを楽しめます。
この水槽の見どころは、陰性水草の密度を高めたこんもりとした水槽に仕上げているところです。アヌビアスやミクロソリウムなど、陰性水草は葉が大きい種類が多く、実は密度を出すのが意外と難しいもの。
奥行きのあるワイド水槽であれば、大きめの葉を残しながらトリミングを重ねることで、自然なボリューム感を演出できます。前景から後景にかけて奥行きを感じさせる配置も、このワイド水槽だからこそ実現できたといえるでしょう。
小型のワイド水槽でも、工夫次第で十分な見応えを生み出せるのです。
まとめ:ワイド水槽とは!メリット・デメリットと奥行きを活かした水槽事例

ワイド水槽について解説しました。
ワイド水槽とは、奥行きが規格サイズよりも広く設計された水槽のことです。規格水槽とは比率が異なるぶん、迫力のある水景を楽しめます。
メリットは、水量と遊泳スペースを確保しやすい点です。奥行きを活かして流木や岩組を立体的に組めるため、レイアウトの自由度も上がります。
外部フィルターやオーバーフロー式にすると総水量が増し、さらに水質が安定しやすくなるでしょう。
一方で、水量が増えるぶん重量は重くなり、専用台や搬入の段取りが重要になります。60cm以外は特注になることも多く、導入コストが上がりがちです。
掃除範囲も広く、高さ45cm以上では腕が届かない場面があるため、脚立やマグネットクリーナーなどの工夫が役立つでしょう。
今回紹介した事例のように、ワイド水槽を導入することで、多彩な水槽が実現できます。
アクアリウムの幅を広げてくれるワイド水槽、設置場所やコストが許せば、ぜひ導入を検討してみてください。
ナマコの飼い方!特徴から水槽飼育のメリット、おすすめナマコ5選
水族館や磯遊びなどでも見かける機会のあるナマコ。
日本では珍味としてのイメージが強い生き物ですが、実はマリンアクアリウムではユニークな見た目のタンクメイトとして根強い人気があります。
他の生き物とは一線を画すぼってりとしたフォルムとゆったりとした動きに、なぜかはまってしまう人が続出中です。また、水槽の砂から汚れを漉しとって食べてくれるお掃除生体としても活躍するため、海水水槽の水質維持にも貢献します。
今回のコラムでは、海水アクアリウムの隠れた人気者であるナマコに注目し、その特徴と飼育方法、飼育のメリットをたっぷりとご紹介します。
記事の後半では、購入・飼育しやすいおすすめのナマコ5選もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
プロアクアリストたちの意見をもとにナマコの魅力と飼育方法を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
サラサラとしたパウダー状のサンゴ砂を使用した海水水槽では、砂の中を食べてきれいにしてくれるナマコがとても重宝します。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ナマコの魅力と飼育方法を解説します。
ナマコとは

ナマコはウニやヒトデと同じ棘皮動物に分類される生き物です。
種類が非常に豊富で、世界中の海に約1,500種のナマコが確認されており、日本では一部のナマコが食用として親しまれています。
ナマコというと黒っぽいヌメヌメとした見た目を想像する方が多いかと思いますが、実は種類によって体色や体長にかなり違いがあるのも特徴の一つ。
鑑賞用に流通しているナマコは、深い黒色のものから、鮮やかな黄色、茶色に模様が入るものなど、バリエーションが非常に豊かです。
大きさは20~30cm前後まで成長するものが多いですが、中には10cm程度の飼いやすいサイズの種類も存在します。
水槽内では主に底砂やライブロックの周りをゆったりと泳いでいたり、時折ガラス面に張り付いていたりと、行動範囲は意外と広めです。
また、ナマコはお掃除生体としてもとても有能で、水槽内に生じる微生物の膜やデトリタスなどの有機的な汚れを積極的に食べてくれます。
ちなみに、日本で食用として普及しているナマコはマナマコで、色によってアオコやアカコ、クロコなど様々な名称で呼び分けられています。
ナマコの飼い方

ナマコは比較的飼育がしやすい生き物で、一般的な海水魚飼育用の環境があれば健康的に問題なく飼育ができます。
ただ、底砂をはい回るなどナマコ特有の注意ポイントがありますので、ナマコに合わせた飼育環境を整えましょう。
ここでは、ナマコを飼育する水槽やレイアウト、混泳魚の選定ポイントなどについて詳しく解説します。
60cm以上の海水魚水槽での飼育がおすすめ!
ナマコを飼育する場合は、水量が多くて水質が安定しやすい60cm以上の大きさの水槽を用意しましょう。
ナマコは体が伸縮するため多少水槽が小さくても窮屈なことはなく、特に幼体の頃ならばもう少し小型の水槽でも飼育はできるかもしれません。しかし、ストレスに弱い面があり、水質の変化などで負担がかかるとすぐに弱ってしまうため、健康に飼育を続けるならば大きな水槽の方が確実です。
また、水温や水質をより安定させるためプロテインスキマーと水槽用クーラーを必ず設置し、導入の際は点滴法で慎重に水合わせを行うと、より安定しやすくなります。
餌は主にデトリタス!底砂は厚めに敷こう

ナマコの主な餌は、水槽の底砂に付着したデトリタス(微細な有機ゴミ)や珪藻、海藻の破片などで、飼育環境下では他の魚の餌の食べ残しやフンを食べることもあります。
砂ごと口に含み体内で有機物を漉しとった後、きれいになった砂だけを排泄する、デトリタスという食性です。
このような特殊な食事スタイルを取ることから、基本的にナマコのために餌やりをする必要はありませんが、底砂を3cm以上の厚さで敷いて採食しやすい環境を整えてあげてください。
ナマコは表皮が弱くちょっとした刺激ですぐに傷がついてしまうため、肌触りの優しいパウダータイプの底砂を使用します。
また、ナマコを導入するタイミングを他の魚とずらすことも重要です。
水槽立ち上げ直後は底砂に有機物が付着しておらずナマコが痩せてしまうため、避けたほうが無難。水槽の立ち上げからある程度時間が経過し、魚がしっかり餌を食べていることが確認できてから、飼育を検討しましょう。
自切に注意!
ナマコは身に危険を感じると、キュビエ器官と呼ばれる内臓の一部を吐き出して敵の目を欺き逃げる、防衛行動を取ることがあります。
これは、ヒトデなどがストレスで体の一部を自ら切り離す”自切”と同等の行動で、ナマコが吐き出した内臓は元には戻りませんが、数週間から1か月ほどで回復します。
ただ、当然のことながら自切はナマコの体力を消費し自身にも大きなダメージを与えるため、飼育環境ではできるだけ発生させないのが一番です。
自切の主な原因としては、混泳魚からの攻撃や水流ポンプに接触したことによる外的損傷や急な比重・水温の変化などの強いストレスなので、ナマコが快適に暮らせる環境を整えて自切を予防しましょう。
ナマコを飼育するメリットとデメリット

個性的な見た目と習性を持つナマコは、水槽に入れることで他の生き物にはない影響をもたらしてくれます。
良い面だけでなく少し注意が必要な点もありますので、飼育前にそれぞれのポイント理解しておきましょう。
ここでは、ナマコを水槽に入れるメリット・デメリットをご紹介します。
メリット:底砂がきれいになる!
ナマコを飼育する最大のメリットが、水槽内の底砂をきれいに保ちやすくなるところです。
砂の中に溜まるデトリタスなどの汚れは、そのままにしておくと腐敗が進んで水質に悪影響を及ぼすほか、シンプルに見た目が美しくありません。
ナマコはこのような有機的な汚れを砂ごと取り込んで漉し取り、砂だけ排出してくれます。
排泄された底砂はクリーニングされた状態でサラサラとしており、水の通りもとても良いです。
パウダータイプのサンゴ砂は、きれいな状態を維持するのにこまめなメンテナスが必須なため、ナマコに掃除をしてもらえれば掃除や水質管理の手間が大幅に軽減されるでしょう。
メリット:水槽の注目度が上がる!

ナマコはマリンアクアリウムの中でも珍しい生き物のため、注目度は抜群です。
類を見ない独特のフォルムにゆったりとした動きは、活発に泳ぐ海水魚の中ではかなり異質な存在ですが、なぜか目を向けてしまうような不思議な魅力があります。
最初は気持ち悪く感じるかもしれませんが、頭や口を見つけて観察してみると、口や触手を使って器用に砂を取り込む様子がとても面白いです。
カラフルな品種を飼育すれば、水槽の底面に彩りを与えてくれえるマスコット的な存在としても活躍するでしょう。
デメリット:弱ると毒を出す?!
ナマコはストレスを感じたり外傷を負ったりすると、サポニンという物質を排出します。
これは界面活性剤入りの洗剤と同じような強い殺菌作用を持つ物質で、魚たちにとっては猛毒。特に水槽という閉じられた空間で排出されると、混泳魚たちに致命的なダメージを与える事態になりかねません。
そのためナマコを飼育するときは、水流ポンプをなるべく高い位置に設置して、オーバーフローの排水口に巻き込まれるなどの事故が生じないよう、工夫をしてください。
また、ナマコの適切な管理に不安たあるときは、無理をせずマガキガイなどの別のお掃除生体を検討するのも方法です。
デメリット:混泳できる生体が限られる

ナマコは混泳魚に攻撃されたりストレスを掛けられたりすることでも、サポニンを排出します。
ナマコ自身が他の魚や生き物をいじめるようなことはありませんが、状態を維持するためにも、混泳魚は大人しくナマコをつついたりしない生き物に限定するのがおすすめです。
特に攻撃性のあるチョウチョウウオやベラの仲間、肉食性の強いエビやカニとの混泳は避けてください。
サンゴとの混泳は可能で相性も良いですが、サンゴやイソギンチャクの位置によっては、接触した際にナマコが皮膚にダメージを受けてしまう可能性があります。
サンゴやイソギンチャクはライブロックが崩れないように注意しつつ、できるだけ高い位置に配置すると安全です。
水槽飼育におすすめなナマコ5選

ご紹介した通り、ナマコは非常に種類の多い生き物です。
最後に、手頃なサイズ感で飼育がしやすいナマコを5種類ご紹介します。
アカミシキリ
体の下半分がピンクに染まる可愛らしい印象のナマコです。
体長は平均して25~30cmを超える程度と、やや大き目で存在感があるので、水槽のマスコットにもぴったり。
頭部が細くなっていて観察しやすいので、初めて飼育する場合も親しみを感じやすいでしょう。
クロナマコ
環境変化に強く丈夫なので、初めてナマコを飼育する方に特におすすめの定番種です。
大きさは約30cm程まで成長するので、60cm以上の大きめの水槽を用意しましょう。
白く目の細かい砂を敷いておくと、体に砂をまとうユニークな姿を観察できます。
ニセクロナマコ

こちらも黒い体色が特徴的な品種ですが、クロナマコに比べるとやや細身で、よりハッキリとした黒色をしています。
砂に紛れることがないので、水槽内でも姿を観察しやすいです。
イエローキューカンバー
鮮やかな黄色い体色がポップな、水槽内でもよく目立つナマコです。
他のナマコとは異なり、触手を使って水中を漂うプランクトンなどを捕食する性質を持ちます。
鑑賞性は抜群ですが、ヒラヒラした触手が混泳魚から攻撃を受けやすいため、ライブロックを組んで必ず隠れ場所を作ってあげましょう。
リュウキュウフジナマコ

茶褐色の体に白いまだら模様と突起を持つ、鑑賞性の高いナマコです。
自然界ではゴツゴツした岩肌に擬態して身を隠します。
スリムな体型なので、複雑な岩組を施したサンゴ水槽でも飼育可能。夜行性が強く昼間はライブロックの隙間に隠れていることがほとんどですが、夜寝静まったころにお掃除生体としてしっかり働いてくれます。
まとめ:ナマコの飼い方!特徴から水槽飼育のメリット、おすすめナマコ5選

個性的なフォルムとユニークな動きや習性で飼育者を楽しませてくれるナマコは、底砂の汚れを食べてきれいにしてくれる優秀なお掃除生体です。
海水水槽でよく使われるパウダー状の砂は汚れが溜まりやすい性質があるため、ナマコを導入してクリーンな状態を維持しましょう。
ナマコを飼育する水槽では底砂を厚めに敷いて、水流ポンプやライブロックにナマコが挟まれないように工夫をします。
外傷や混泳魚の攻撃で弱るとサポニンという毒素を排出するため、ナマコが快適に過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
また、もしナマコが怪我をしているのを見つけたらすぐに水槽から取り出して、水換えをしましょう。
アカミシキリやイエローキューカンバーは色鮮やかで、きっとナマコの一般的なイメージを覆してくれるはずです。
クリーナーマスコットとして活躍するナマコを、水槽でゆったり観察してみてはいかがでしょうか。
ウーパールーパーはいくらで飼える?初期費用から購入場所まで紹介!
首周りのたてがみのようなエラとつぶらな瞳、笑ったような表情が愛らしいウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)は、アクアリウムでも人気の両生類です。
一昔前にブームになった頃に比べると現在はかなり流通が盛んで、個人でも比較的気軽に飼育ができるようになりました。
しかし、いざウーパールーパーの飼育について調べてみると、飼育するための準備や初期費用、どこで購入したらよいのかなど、色々な疑問や問題が出てくることも。
熱帯魚に比べてまだまだ飼育情報が少ないため、初心者の方が迷ってしまうのも無理はありません。
そこで今回のコラムでは、ウーパールーパーはいくらで飼えるのかをテーマに、おおよその価格帯やセッティングの初期費用、ウーパールーパーを購入できる場所まで具体的にご紹介します。
プロアクアリストたちの意見をもとにウーパールーパーにかかる初期費用を解説

このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。
水槽飼育できる両生類として人気の高いウーパールーパー。
正しい設備を揃えて大切に飼育をしてあげましょう。
ここでは、実務経験から得た知識をもとに、ウーパールーパーにかかる初期費用を解説します。
ウーパールーパーの価格

飼育を始める上でまず気になるのは、ウーパールーパーの価格でしょう。少し馴染みの薄い生き物ということもあり、なかなか相場がわかりづらいです。
ここでは、ウーパールーパーの価格感と品種ごとの値段の違いについて解説します。
ポピュラーな品種のウーパールーパーは約2,000円~
ウーパールーパーには体色や模様の違いによって様々な品種が存在しており、珍しさや個体の大きさによって値段が変わります。
一番リーズナブルなのが、”リューシスティック”や”アルビノ”、”マーブル”などの流通量の多いポピュラーな品種のベビーサイズ(約10cmほどまで)の個体で、2,000〜3,500円程度が相場です。
5cm前後のさらに小さな個体だともう少し安く販売されていることもありますが、幼体は環境の変化に弱く体調を崩してしまいやすいため、初めての飼育ならば10cm前後の個体を選ぶと安心でしょう。
ちなみに、強く丈夫に成熟したフルサイズのウーパールーパーは、ポピュラー種でも5,000円以上の値が付くこともあります。
レアな品種は高値が付きやすい!
カラーバリエーションが豊富なウーパールーパーの中には、希少価値が高いレアな体色を持つ品種がおり、これらは軒並み高値で取引されています。
例えば体に白と黒のまだら模様が入る”ダルメシアン”や、通常のブラック種よりもさらに深い黒色を持つ”スーパーブラック”、体の左右で色が異なる”ブリンドル”などは、ウーパールーパーの中でも特に高価な品種。ベビーサイズでも2万円以上することが珍しくなく、模様の入り方などによってはさらに高額で販売されている個体もいます。
こういったレア種のウーパールーパーは、ほとんどが爬虫類や両生類の専門店で販売されており、直接店舗に出向くか直販の通販サイトなどでも購入可能です。
また、ポピュラー種とはちょっと違った形質を持ちつつ、もう少し手を出しやすい価格帯の品種としては、身が金色になる”ゴールデン”や、全体が黒みを帯びる”ブラック”などがおり、こちらはベビーサイズが3,500~5,000円ほどで販売されていることが多いです。
ウーパールーパー飼育の初期費用

珍しい生き物であるウーパールーパーですが、意外にもシンプルな設備で飼育することができます。
ここでは、ウーパールーパーの飼育に必要な設備と、初期費用の目安をご紹介します。
初期費用は2〜3万円ほど!
ウーパールーパーを飼育するのに必須の設備は以下の通り。
- 45~60cm水槽
- ろ過フィルター
- 水槽用照明
- 底砂
- 土管や流木などの隠れ家
一般的な熱帯魚を飼育するのと変わらない設備でスタートできるため、初期費用は大体2~3万円程度を想定しておけばよいでしょう。
水槽セットを購入すればさらに初期費用を抑えられる場合もあります。
ウーパールーパーは大食漢で水を汚しやすいため、ろ過フィルターはメンテナンスが楽でろ過能力も高めの上部フィルターや外掛け式フィルターがおすすめです。また少し予算が上がりますが、後述する水槽用クーラーを設置するならば外部フィルターも候補になります。
また、土管や流木を使って身を隠せる場所を作ってあげるのもポイント。ウーパールーパーは暗い所を好む習性があることから、隠れ家があった方が落ち着きやすいです。
水槽用クーラー・ヒーターの必要性
状況に合わせて検討したいのが水槽用クーラーやヒーターです。
ウーパールーパーは特に高水温が苦手で、適水温は10~20℃とかなり低め。
夏場でも25℃を超えないように管理する必要があることから、水温の上昇を抑える工夫が必須です。
水温を低めで維持するには、やはり水槽用クーラーを設置するのが一番でしょう。
小型の水槽用クーラーと接続するための外部フィルターや循環ポンプを購入すると、3~4万円程度かかりますが、ウーパールーパーを安定して長期飼育できるようになるので、予算に合わせて導入を検討してみてください。
ちなみに他にも水槽を運用している場合は、個別に水槽用クーラーを購入するよりもまとめて部屋ごとエアコンで温度管理する方が費用を抑えることができておすすめです。
一方水槽用ヒーターは、冬場10℃を下回らないならばあえて設置する必要はありません。もし気になるときは、ゼンスイの『TEGARUII アクアリウムクーラー』のような、温・冷両方に使えるタイプの水槽用クーラーが便利です。
餌は人工飼料を中心に!
ウーパールーパーの本来の食性は冷凍赤虫やメダカなどの活餌を好む肉食性ですが、餌付きがよく、ほとんどの個体は人工飼料もしっかり食べてくれます。
人工飼料は栄養バランスに優れていて、給餌も簡単、保存がしやすくコスパも良いので、飼育環境下では人工餌をメインにおやつ感覚で活餌与えるのがおすすめです。
ただし、個体によってはあまり人工餌を食べないものもいるので、状況に合わせて活餌と人工飼料の割合を変えながら臨機応変に対応しましょう。
人工飼料ばかりだと飽きて拒食気味になってしまうことがある一方、活餌だけだと栄養の偏りが出てしまいます。様子を見ながら両方をバランス良く取り入れることが長期飼育のポイントです。
ウーパールーパーを購入できる場所

人気の高まりとともに、ウーパールーパーを扱うお店が増えています。
ここでは、ウーパールーパーを購入できる場所とそれぞれのメリットを合わせて解説します。
アクアリウムショップ
実際の個体を見てお迎えするウーパールーパーを選びたいとお考えの方は、アクアリウムショップや爬虫類・両生類の専門店で購入するのが一番です。
ショップでは個体の模様や体色、健康状態などを直接確認できるほか、展示数や価格のバリエーションも豊富なため、高価なレア種に出会える確立も上がります。
特にダルメシアンやブリンドルなどは、同じ品種であっても模様や顔つきが千差万別なので、じっくり観察してお気に入りの一匹をお迎えしましょう。
ホームセンターのペットショップ

ウーパールーパーは一般的にも知名度が高いため、ホームセンターのアクアリウムコーナーでも販売されています。
このような幅広い生き物を扱うお店では、リューシスティックやアルビノなど、ウーパールーパーらしいポピュラーな品種のベビーサイズが扱われており、値段もご紹介する3つの購入場所の中では控えめなことが多いです。
コスパ良く身近なところでウーパールーパーを購入したい方には、最もおすすめの購入場所と言えます。
アクアリウムの通販サイト
楽天やAmazonなどの大手通販サイトや、専門店が運営するオンラインショップでもウーパールーパーを購入できます。
両生類を取り扱うお店が近くにないときや、なかなか足を運ぶ時間がないといった場合は、いつでも利用できる通販が便利でしょう。生体と一緒に飼育機材を購入できるのも、通販サイトの強みです。
一方、直接個体を見ることができない点には十分に注意してください。
ウーパールーパーは表情や体色の個体差が大きいため、可能ならアクアリウムショップで実物を見て購入するのがベストです。
まとめ:ウーパールーパーはいくらで飼える?初期費用から購入場所まで紹介!

ペットの中では変わり種なウーパールーパーですが、実際はとても飼いやすく、シンプルな水槽機材で飼育をスタートできます。
飼育に必要なのは45~60cm程度の水槽と、ろ過フィルター、水温計や底砂、隠れ家になるレイアウト素材などで、大体2~3万円程度で購入可能です。
ウーパールーパー自体は、ポピュラーな品種ならば2,000円程度から10cm前後のベビーサイズが流通しており、アクアリウムショップや爬虫類・両生類の専門店、ホームセンターのペットコーナーなどで取扱いがあります。
のほほんとした表情のウーパールーパーですが、実は目つきや口の上がり方などに個体差があるもの。
ぜひ顔つきや体の色を直接観察して、お気に入りのウーパールーパーをお家の水槽に迎えてあげましょう。








































































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